orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

オフィスでは、みんな聴いている

 

オフィスで働くと、いろんな音が聴こえてきてうるさいな、と思う方だけど、これは逆に言えば聴こえているということだ。たくさんの情報が空気中に渦巻いていて、これらをノイズと思うか、それとも目に見えない情報ストリームと思うかで話が変わってくる。家でリモートワークをしていたら決してつかむことができない。

私のオフィスにはいろんな部署の人が並べられているので、99%は私に関係のない情報だ。私の部署のメンバーはもちろん私に近いので、関係のある人の話し声が一番大きく聴こえてきて、まあこれはよい。でもたまに、声が大きい人がいる。遠く離れていても聴こえてんぞ、ということもよくある。これをうるさいと思うが。

たまに、「おいおい、その情報、本当に私に聴こえていいの?」ということもある。例えば人事評価とか。金額の話とか。目の前に話したい人がいるから話したくなるのはわかるけど、周りの人々、みんな聴いてるからね。普段関わりがない人々を、あたかも空気のように扱う延長で、機微な話を堂々としているようだけど本当に危ないと思う。あの人があんな話をしていたよ、という情報が制御できない形で伝わってしまう。

コロナ禍も長かったものね。しばらく家で働くことが普通になっていたことが長くなってしまったせいか、オフィスでの作法、リスクみたいなものに無頓着になってしまったのかしら。それとも、自分の役割が高いと、何を言っても許されるという気持ちになり制御が効かなくなってしまうのだろうか。高い役割の人は影響力が強いので、細かい行動から発言から全て部下に監視されているようなものだと思う。裏を返せば高い役割の人がより出社すると、部下たちも出社してくる。情報が欲しいからだ。だからこそ、オフィスでの立ち回りって、ビジネスチャットで言えば全社員参加グループチャットのようなもので、簡単に油断した発言をしないように気をつけなきゃいけない、と思っている。

考えてみれば若いときは、その役割の低さと向こう見ずな性格で、色々奔放な発言を繰り返してきたような気がして恥ずかしい気持ちはある。でも過ぎたことを言ってももう取り返せないので、少なくとも今を生きる人々に伝えたい。もう世間で声を出すと、そこにいる関係のない人々も含めてみんな聴いている。わけのわからんことを言い出すとほとんどの人が「お、何だ何だ」と耳を傾けてくる。あの上司、パワハラ上司やん、とか、あの社員、クセ強いな、とか。もうみんな知らないふりして黙って、いろいろ想像して、感想をしたためていると思うと、簡単なことを言えなくなるのは当然だと思う。

そんなことを考えつつも、やっぱりオフィスにいるとウケるくらい、色んな人が脇の甘いことを言っているのが聴こえてくる。ほんと大丈夫なのかね、我が社の人間がもしかしたら、のほほんとしているのか?。ま、情報は多いに越したことはないので、割と出社してこの情報ストリームを受信している。自分が話をするときには、あくまでもひそひそと。遠くまで聴こえないように、そして感情を込めないように。感情の強さは伝播するから、例えば怒ったり叱ったり泣いたり・・なんてことは大人だからないにしても、言葉の強さの節々にはみんな感じてしまうわけだ。穏やかに、静かに話そう。

オフィスはお得な情報を得られる反面、自分がミスすることもあり得る。戦場なのであって、アットホームな職場・・なんてない、と思う。