orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

出社手当は通勤のインセンティブではなく、在宅勤務へのペナルティである

 

出社手当を出す会社が出てきていると話題になっていました。出社するのは当たり前だった時代からすると、時代が変わったなとは思います。

 

www.nikkei.com

新型コロナウイルス対策によってリモートワークが定着した社員に、一定日数の出社を促そうと「出社手当」を導入する企業が出始めた。複数のスタートアップが出社日数に応じて支給する制度を取り入れている。在宅勤務と出社のそれぞれの利点を生かす手法として注目されそうだ。

 

やはりそれなら、ということで社員はほとんど通勤するようになったんじゃないですかね。

Xのタイムラインなどでは、出社するのにお金がもらえるなんて甘えんな、みたいな意見が大半でした。出社するのは当たり前じゃないか、業績を高めるためには個人として当たり前の努力でそこに手当を出すのはけしからん、という意見をたくさん見ました。

それらの意見は正論ではありますが、この話、逆に考えるとすんなり納得できるんじゃないか、と思いました。それは、出社100%で、手当てを満額もらった額が基本の給料であるという前提です。そうすると出社しないと給料が減る、つまり懲罰的な意味が込められるんじゃないかと思いました。出社しないならしないでいいけど、その分お給料払わないからね、とはできないですよね。何かしないことで給料を減らすことは大変しにくいお国柄です。手当を付けるのは自由にできますからね。

今の政府は、何につけ手当だ給付だ補助金だとやりたがるのはご存知だと思いますが、これお金を付けてるんじゃなくて、そうしない人からお金を取っているのと同じ意味だと考えると、別の意味が浮かび上がってきます。マイナンバーで2万円配ったんじゃなくて、マイナンバーを作らない人から2万円奪うのと同じ、そういうことです。

いつの間にかこの国は、そういうふうにお金を使うことをおぼえてしまったんだと思います。お金をあげることによって、奪うことができるんだ、と。

 

出社手当の形を採ると、何だか余計に給料を増やしているみたいですけど、全くの逆なんですね。全員一律で増額するんじゃない。わざわざ手当の形をとることで、一見通勤にインセンティブが付いているように見えますが、在宅勤務にペナルティーが付いているのと同じです。手当というのは逆方向にペナルティーを与えることと同義と考えるようにしましょう。

こういう、朝三暮四的な政策が当たり前のようになって、色んな事に従わないとお金が取られていくようになっているという状況のもと、ピュアな心で出勤するとお金もらえるのかいいなあなんて思っている人がまだまだ多いということでしょうか。