orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

「高いスキルを保有する」に誤解されがちなこと

 

高いスキルを持つということについて、よく誤解されていることについて書きます。

誰も知らないようなとても高度なことを知っていたり使うことができたりすることを、高いスキル、と定義しがちです。こんな難しいことができるから、すごいでしょう、という具体です。

しかし現場で仕事をしていると、そんな高い技術は使う場面がとても稀です。もし誰もできないような難しいことであれば、むしろ誰でもできるように翻訳すべく、手順を単純化することが仕事になるくらいです。難しいことを難しいままにしていたら、少ない人しかできなくなりビジネスが拡大しません。高度なことを基礎レベルの人にできるようにするまで求められることは多いです。

仕事の基本は、基礎であると思います。

それでも高度な技術を使わなければいけない場面は確実にあるので否定をすることはありません。だとしても、現場においてはそんなマニアックな知識を磨くより、もっと先におぼえて欲しい基礎があります。いつものほとんどの汎用な仕事を、より高いレベルで速く/正確に/繰り返しやってほしいです。

仕事のほとんどで最も必要なことは、基礎の大事なことを、繰り返し確実に再現できることだと思っています。100回やっても1000回やっても間違えないこと。また、やる前にもしくはやっている最中に何か問題があるのなら気が付くことができることも大事です。失敗しない、ミスしない、と言うことの重要性は過去の経験から身に染みています。

確実に誰でもできること、例えば、右の箱に入っているビー玉を、左の箱に入れる作業。これは誰でもできます、1回なら。しかし100回、1000回ならどうでしょう。続けてやっていると手が震えてきて、気を抜くと手が滑ってしまうかもしれません。不思議ですよね。999回うまくいっていることが、1000回目に誤ることがある。つまり、普通にできることを、普通に確実に毎回できるって、結構難しいのです。1回だけ見るととても簡単なので軽視しがちですが、プロは1000回やって1000回成功させます。これこそ顧客が求めていることでもあったりします(まあ、稀な高度な技術も期待されることもあり、場合に寄りますが)。

日々の仕事を乗り切るのに、高い技術が必要となることもありますが、仕事の9割は基本的な仕事ばかりです。ただ、それらを基本=簡単=誰でもできる、と定義することによって失敗が発生します。油断です。誰でもできる、注意不要と思った瞬間に気の緩みが発生し、そして何となく、意味も無く、稀に失敗するのです。

整理しましょう。

①誰もできないような高度な技術を知っていてできること

②誰でもできること(基礎)を繰り返し何度も成功させられること

この後者の方についてあまり重要性を語られることが少ないのですが、私はまず②を習得していることを重要視します。1回たりとも失敗しない、って、前者に負けず劣らず高度ですから。

たくさんの人が前者、誰も知らないようなマニアックな技術を習得することに熱中する傾向があると感じています。それにとても違和感を持つことがあります。そんなことより、もっと基礎を誤らないことを身に着けて欲しい、と願います。