orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

インフラエンジニアになるのは簡単か

 

Q. インフラエンジニアになるのは簡単か?

A. 簡単です。

 

インフラエンジニアでベテランの私でもこう答える。

ただし、なることと、上を目指すのは全く別のお話だ。インフラエンジニアを名乗ること自体は簡単でも、何を仕事にするかは恐ろしく幅が広い。

幅が広いから、スキルの表現が標準化されていない。何でもできるをフルスタックというのは簡単だけど、何がフルなのかを表現できる人は誰もいない。

自分はフルスタックだ、と言う人がいれば、それはあなたが働く現場の全ての業務、という意味でのフルであって、世の中の全ては捉えきれてはいない。

もはや、全てを知っているというよりは、未知なことがきてもなんとかできる、という意味合いの方がインフラエンジニアについては当てはまる。どんな要件が来ても基盤となる知識があるので、資料を読み解けば何とかできる、ぐらいの胆力が求められる。

 

未経験からのインフラエンジニア、という意味では、プログラミング能力が必須ではないと言う意味で間口は広いと思う。LinuxやWindowsの基礎、ネットワークの基礎、そしてOfficeソフトウェアの知識を身に付けて行けば、未経験者のレベルから脱することができる。それだけでもできる仕事はたくさんある。インフラの仕事は、全てが高度というわけではない。より単純で繰り返しに近い仕事もまだまだ残っている。顧客と連絡をすることや、そのための資料作りもその一つだ。そこには、高度な知識が関与しないことも多いので、経験が浅い方にはそんな仕事も振ることになる。

ただ、そんな仕事ばかりをやっていて、これでインフラエンジニアですよ、なんて完了宣言をされた日にはなかなか待遇面が伸びてこない。いくつかの職域でインフラエンジニアの待遇を見ていくと、他の職域より低いことも散見される。これはインフラエンジニアが評価されにくいということではなく、未経験者に近い層の人が多いので平均すると下がるという意味だと思っている。

皮肉にも、開発エンジニアがカバーしない、雑多な仕事の領域が多数インフラエンジニアの仕事としてアサインされるので、それらに忙殺されているうちにスキルの伸びが止まってしまう、なんてこともあり得る要注意の職種だとも思う。

 

しかし、逆に考えれば、何にでも手を出しても職域だと言い張れる側面もある。役に立つか立たないかわからないような新しい分野に好奇心で手を出して、もし現実に仕事に入ってきたらすぐ手を挙げる。そんなことを繰り返していると、開発エンジニアが手をこまねいているうちに習得し、リードする立場にも立てるから面白い。それは、クラウドだったりAIだったりでも起こっている。○○エンジニアみたいに自分の可能性をイメージで縛り付けることはないのだが、特にインフラエンジニアの場合は、「何でも屋」のイメージも強いのでやりやすいのである。

ある開発エンジニアの方から聴いたことがある。業務でいろんな言語を使ったけれど、あまりやることは変わらない。高度な処理を実装することなどほぼなく、基本的な実装だけしていればいいので、何をしたってスキルが上がらない。結局は業務要件に絡み、設計ができることの方が重要だ、と。

そう考えると、インフラエンジニアにおいては、技術が目まぐるしく変わるので、それについていくだけでもスキルを広く学ぶことはできる。それが苦しいと言う人もいるし、楽しいというか、趣味のように仕事をする人もいる。

インフラエンジニアになるのは簡単だ。しかし、なった後は適性や姿勢が大きく問われる、と言う感想を持っている。