orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

会社に通って仕事してるだけでスキルが上がると勘違いしている社員が多すぎる

 

 

これは思い出話だけど。

あまり組織の状態が良くなかった頃に、色々と上層部があがいた中に、社員教育があった。競合他社に勝てないのは社員の質が悪いんじゃないか。そのような仮説を元に、なぜスキルが上がらないのか。それは勉強しないからだ。なぜ勉強しないのか。もしかしたらこの会社に属していれば自動的に高いスキルが身に付くと勘違いしているんじゃないのか。そんな仮説を持って調査を行いある程度思っていた通りの結論が得られた、らしい。

なんとなく言っていることに筋道はあり、確かに仕事で競争力が得られるスキルが全て得られるとは思えない。特に新しいことに挑戦しようとした時は、仕事の中にないものを導入しなければいけない。既存の仕事を一生懸命やっているだけではいずれジリ貧となる。学べることがある間はいいが、そのうち学びつくしてしまうだろう。

正論ではある。しかし伝え方が良くなかった。仕事だけで勉強できていると思ったら大間違いだ。君たちは誤っている。そういうメッセージの方が強くなってしまった。状況が悪いから上層部が苛立っていたのもあろうが。

特に状況が悪い時の社員は、成果が出ない中踏ん張ってくれているともいえる。それこそ残業時間も多かったし、炎上するプロジェクトも多かったから、かなり疲弊していた。そこにこの伝え方だ。ああやってられんよ、と。評価も上がらず業績も悪く、それでこの会社の仕事は勉強にならん、と。

これは、10年ほど前の話だが特に今の時代、この投げ方をしたら本当に最悪だ。あなたは良くない、を伝えることは関係性を悪化させる。悪化した中では何を言っても相手に響かない。橋を壊して、向こう岸に渡れないような、愚かな指導だ。

どう伝えれば、そしてどんなやり方が良いだろうか。どう考えても会社が、会社の現在の仕事の外から知識を欲しているのであれば、業務時間中にその「自己研鑽」とやらを業務としてミッションを設定してやらせるべきである。会社は給料を支払うことで社員を拘束し指示することができるのだから、ぜひその権限を行使してほしい。会社は今保持している知識だけでは今後競争に勝てない。現在の業務から外れたことを研究することに対して、一定の業務時間とそのための経費を希望した社員に与えるので、ぜひ成果を出してほしい。期待している。

そのように社員をリードしなければいけないのに、勘違い、自己研鑽が足りない、なんて翻訳してしまった。

上層部がそこまで欲しているなら、時間外でも何か研究して還元してみようか、なんて社員も現れるかもしれない(期待してはいけないが)。人間を動かすのに、直訳して指示するなんてとんでもない悪手。

大元の話。仕事の中の経験だけを教材とする勉強の仕方は、確かに視野を狭くする。業務と直接関係のないタスクを設定したり、外出して刺激を受けたり、取り組みをしなければいけないことは事実なので、伝え方は大事ですね、と言う話であった。