orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

もうオフィスに帰るしかないよね

 

通勤にかかる時間、会社に着くまでの時間は拘束されているようなものだから、給料を払って欲しいと言う主張をたまに見かける。でも、社員がどこに住むかは会社が指定してるわけじゃない。通勤地の目の前に家を構えてもいいわけだ。そしたら通勤時間はゼロに等しくなる。労働時間にオフィスにいなさい、は合法なわけで、それをどう満たすかは社員に委ねられている。遠くから来ようが目の前から来ようが自由で、通勤時間は個人が勝手に判断して消費している。したがって会社が個人に何か支払う必要は全くない。道理としてもそうだし、法律的にもそう。通勤時間が労働時間に含まれない。

この話が出てきたのは、リモートワーク廃止の流れで、オフィスに行くのが嫌な労働者側のぼやき。彼らも真面目に言っているわけじゃないだろう。いろんな会社制度があるが、「通勤時間にもお金を払います」なんて会社、一社たりとも見たことがない。遠くに住めば住むほどお金もらえちゃうし。

もし、出社が嫌いでも戦力になれる人を味方にしたい会社があるのであれば、フルリモートでの人材募集をかけていることだろう。フルリモートに挑戦している会社があるのは知っている。それで会社運営をするというのは、なかなかハードルは高めだと思うが、それでも業績を出し続けると同時に、社員が継続して働いてくれる会社文化を育め、他社との競争に勝てるのだったら、それはそれで素晴らしいと思う。

コロナ禍は正直、まだ収束しておらず罹っている人も少なくないと思うが、ただ社会はもうこれを無視することに決めている。ここからは、平常が何か、ということを再定義して暮らしていくことが求められる。

少なくとも「通勤時間は給料にせよ」ではないのである。もしそんなに通勤するのが嫌なら会社の近くに引っ越せばいいし、引っ越したくないのならリモートワーク中心の企業に移るべきだ。そしてリモートワークができる企業が減っていくのであれば、それは会社間競争の結果だから仕方がない。オフィスで集まる企業が業績を伸ばし結果を出すのであれば、時代の変化に労働者のほうが適応しないといけない。もう歴史になってしまったコロナ禍のワークスタイルからは脱却しなければいけないのだ。

なお、私の勝手な感想だが、確実にオフィス回帰は高まる。オフィスで集まって仕事をするとリモートで働くより遥かに能率がいい。なぜなら・・という原因分析はしない。もうそんなの、結果を見ればいいだけだ。オフィス回帰を選んだ会社が目に見えて業績が良ければ追随せざるを得ないだろう。「そんな会社は人が集まらなくなる」という批判も、好業績には勝てない。高い給与を支払うなら人は集まるのだから。

そんな中、リモートワーカーに切り出される仕事というのも、メインストリームではなく、自己完結型のタスクばかりになるだろう。ほとんどの人がオフィスにいるんだから、あまりコントロールしなくていいような仕事ばかりが外に切り出されることになる。そうなるとリモートワーカーにはメインストリームで何が起きているかわからず、自分の仕事の中でだけで完結することになる。そうなると成長の機会も限られる。この仕組みがもう、特に経営層的な人々はわかりきってしまったので、大事な人はオフィスに呼ばれる。これはもう、わかった事実なのだから、都心に人が集中する状況は変わりそうにない。