orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

「多様な働き方を認めないといい人材は採れない」を過大解釈してはいけない

 

Xでいろいろ言ったのもあって、臨時でこの記事を書いておく。オフィス勤務とリモート勤務の件だ。

 

times.abema.tv

 日本では、人手不足も深刻になっている。滝川氏は「採用の上で、多様な働き方を認めることも必要だ。そうしないと、いい人材を採れない」という。

 

少なくとも私の観測範囲では、リモートじゃなきゃいけない人材はいい人材じゃない。いい悪いを言い出せば、来てくれる人の方がいい。能力関係なくまず、来てくれるだけでポイントアップだ。

リモート前提であれば、人材採用ではなく、他社と協業のような形がいい。仕事全体を切り出して行ってもらえるのであればリモートでも構わない。

オフィスに最近通ってわかる。ずっとオフィスに集まって一緒に仕事をする人たちのチームワークは、リモートでは絶対醸成できない。絶対にだ。普段集まっている人間たちがたまにリモートするのはまだ、関係性が醸成されている前提でのワークなのでまだ成り立つ。コロナ禍のころは明らかでそれで半年くらいは継続できたが、だんだんとリモート期間が長くなるに連れ、関係性が悪くなったことは私自身も経験するところだ。集まっている人たちと、そうじゃない人たちの差は歴然としている。

ちなみに、時短や、子育てなどの事情での、「今日は臨時でリモートで」のような使い方は、これは私は全然アリだと思っている。家族だってそんな長い時間毎日いない。同じ場所に数時間いるだけでも十分だ。多様な働き方を認めると言ったって、無制限に認めるのではなく、必要に応じた柔軟性が必要だ。便利に使うが大事なところは外さない。

少なくとも「通勤時間も勤務時間に含めてくれ」という人材と一緒に働くのは私は全力で遠慮したい。人材不足と言ったって、誰でもいいってわけじゃない。技術力があればいいってのも違う。目的を一緒とし、同じ方向へ向かっていき、組織で相乗効果を生み出そうとするのが会社とすれば、全然別方向の人とは働けないのは当然だ。

一方でリモートだけの仕事を前提として、会社活動を行おうとする企業が存在しているのも知っている。それはそれで他社との競争に勝てるのであれば素晴らしい。きっと、会社ルールもオフィス中心の企業とは全く違うアレンジをして、大いに工夫をしているのだろう。それなら、リモートを望む人材を大いに集めて、どれだけ利益追求や社員の幸福追求ができるかを突き詰めて欲しいと思う。私がいい人材じゃない、と言う方が、そんな会社にとってはいい人材かもしれない。

いい人材、なんて一言で片づけてリモートしなきゃダメ、みたいな議論にするのはおかしな話だ。会社、会社が行うビジネス、そして運営方法で、さまざまな事情があり、求められる人材像も違う。多くの会社では、同じ場所に集まることでのコラボレーション促進が企業活動を良い方向に向かわせるし、だからこそ、オフィスに来てくれる人材のほうが、来てくれない人材より、たいていはいい。

一方で、オフィスからWeb会議で他社の方と話をすることは増えた。毎度他社のオフィスにお邪魔してあいさつするだけでもかなりのコストがかかっていたし、遠隔地に至っては行くだけでも骨が折れたので、リモートの恩恵はたくさん受けている。

リモートを全肯定するでもなく、全否定するでもなく、目の前の仕事を見ながら会社の強みを踏まえながら、現実解を積み重ねていけばよい。