orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

新規にお付き合いする会社との信頼関係を作るために行われていること

 

ここ最近、新しい仕事の話が途切れなく来ている。

 

ここ3年くらいは例のコロナ禍で随分停滞していた。大きく成長はしないが衰退もしない。長い保留の時間が続いたが、それは終わりのようだ。もともとシステムやソフトウェアは古くなることが宿命で、使い続けるといつかサポート切れを迎え、刷新しないといけない。その際、ようやくクラウドを使うかという検討となる。今どきクラウド化?と意外に思われるかもしれないが、本来ならコロナ禍中に徐々に取り組まれるべきだったのにそれらが凍結されていた感じだ。ここしばらくの保留システムが次々と刷新されようとしているようだ。

また、ソフトウェアサポート期間が本来はコロナ禍中に終わるところが、コロナ禍で新しいバージョンの提供も苦しいのでサポート期限を延長する、というプロダクトも多数あった。その延長期間も終わり、遂にサポート切れが迫り、おそらく特需に近いという話も併せてある。私が観測している限りはサポート切れが2024年辺りに線が引かれているように思う。今回のサポート切れを刷新して乗り越えれば今度は2029年辺りまでは生き残れそうだ。

 

新しい仕事ということは、新しい出会いがある。新しい顧客と顔合わせし、お話するとまずは私を品定めしようとする。技術があると言っているがまやかしではないのか。顧客の要求に真摯に応えてくれるか。モチベーションは高いか。序盤はかなり技術的な部分を刺してくる。ま、技術の仕事なので、仕事を頼む相手が技術があるかどうかに興味があるのは当たり前だろう。ただ、なんだか中途採用の面接を受けているような気持ちであるのだが。

この会社に任せて大丈夫か?、を乗り越えた後だ。この折衝が「顧客の現場 vs ベンダーの現場」だとすると、次に「顧客の上層部 vs ベンダーの上層部」というマッチングで交流がはかられる。会社と会社のお付き合いなので、会社を統括している上層部同士が、お互いに信頼できるかどうかを探り合いだす。付き合いだすと何かと調整は必要なので、信頼関係を築きましょう、というセレモニー(儀式)なんだろう。

この儀式。全然技術的な話はしない。どんな会社でどんなことを得意としていて、これまでどんな形で成長してきたのか、みたいな、まるでお見合いのような状況である。ここで相手の技術力を探るような会話は、上層部の下品さをさらけ出すことになり、普通はしない。至って真摯に振る舞う。いわゆる接待の部分も含み、夜の街で会食したり楽しんだりもする。

ここ最近のこういった動きが実際に行われている状況を鑑みて、世界がコロナ禍前に戻ったことを実感している。前段の技術的な打ち合わせについては、Web会議が相当に活躍する。ただ後段のセレモニーは、確実に対面だ。で、このセレモニーの方がよっぽど高度だと思う。人間と人間の交流で、下手は打てないが、仲良くならねばならない。いろいろな会社の上層部とのコネクションを多く持ち、信頼関係を気づいている人は、やっぱり偉くなると思うし、それだけのことをしている、と思う。

 

特にIT業界のような、一般的には高度な応用技術が売り、とされる場所にあっても、結局はこんな泥臭い状況が横たわっている。そう考えると、しょっちゅう会社の金で飲んでばかりいる上層部も、偉いな・・なんて思うわけである。若い頃は、技術至上主義だと思っていたけれど、ね。