orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

「経験」が壁にならないためにどうするか

 

私の若手の時のキャリアが「サポートエンジニア」だったために、結構苦労した。というのも、インフラエンジニアとは言えないしもちろん開発エンジニアでもない。電話やメールを受け付け、それに対して調査をし解答をするという仕事で、それはそれでかなりの勉強になった。若手のうちに技術的な話をベテランの技術者としたり、英語で問い合わせをしたり、問題の切り分け・再現調査など、今の私の仕事を支える大部分のスキルをそこで身に付けた。ただ「経験」だけが得られない。ITの話題は、要件定義だったり設計だったり、実装だったりテストだったりするのに、私はサポートをし続けるだけだった。

技術が蓄積される仕事だったので、じゃあそれを資格試験に役立てようといくつもの資格を取ったことがあった。技術はありますかと言われたときに資格試験取ってます、はかなり説明を省くことができるので便利だと思った。

その結果、会社内では認められたし、それなりに評価もされた。仕事も順調で、私としてはこの会社でずっと働くのかな、なんてことも思っていたほどだ。

サポートの仕事を7年くらいやったころか、限りなく仕事に飽きて来た。また、やっぱりこのままだと、この仕事しかできない。もっといろんな経験をしないと、将来の選択肢が大きく狭まると思った。

上司に異動願を出した。かなり長文だったけど、多分、私は文を書くのがその頃から得意だったのかもしれない。上司にその願いは認められ、そこから、情報システムの仕事や構築、またシステム運用の仕事を手伝うことができた。

いろいろとキャリア的にはさまよったけれど、それらが全部今の私の仕事につながっている。一つも無駄なことはない。独特な価値提供ができるキャリアパスに結果として、なった。

特に20代、30代の方には伝えたい。この先、「技術はあるみたいだけど、経験が足りないね」と言われることを想定しておいてほしい。悔しいじゃないか。たくさん勉強したのに、経験がない、だけで門前払いされるのは。経験しないと経験を得られないでしょ、その通りだ。だから、経験は自分からつかみに行かないと、決して手に入らない。チャンスが振ってくるのを待っていては時間ばかり経つだけだ。

もし、会社が経験を与えてくれないのなら、会社に経験を与えろと直訴したほうがいい。直訴しても叶えられないなら、転職してでも経験を取りにいくべきだ。40代まで来ると、もう技術レベルどうこうではなく、過去成し遂げたことで自分を語らなければいけなくなる。その時に、「会社からそんな仕事を与えられなかったんですよ~」と言っても、会社は何も責任を取ってくれない。それどころか、リスキリングだの早期退職だの、勝手なことばっかり言ってきて切り離されるのがオチ、である。

最近あまり、メディアがジョブ型雇用の話をしなくなったけど、企業はすごく意識している。何の仕事をしているかで給与を算定すると言うやり方。で、顧客を見ていると良くわかるけど「経験があるか」をじろじろ見られる。会社もそうなのだ。いくら美辞麗句を重ねても、「やったことあんの?」で片づけられる。やったことの中身などあんまり見られない。だって顧客は専門家ではないから。やったことがある?「はい」と言えれば合格という、ザルな世界である。でもウソを付いたら痛い目に遭う。やっぱり経験は、あればあるほど有利と言う世界だ。

だから、会社に全部キャリアパスを任せ、何を得られるかは運次第、なんて人生は、なんと危険なことか。どうせ危険なら、自分からつかみに行って欲しい。その連続が、能動的なキャリアを生み、40代から勝負ができる大人を作ると思う。