orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

このまま経済は拡大し、成長していくなんて本当なのだろうか

 

バブル崩壊、ITバブル、リーマンショックなど、経済危機の時はまだ若者で、世間が大騒ぎしているな、位の印象しかなかった。今は立派な(?)大人なので今の状況を鑑みながら、あの頃を考えてみよう。

どの時代を見ても「価値がない物」をあたかも価値があるものとして高い金額が付いていて、ふと人々が事実に気が付いてしまって投げ売りし出す、そういう現象だったと思う。

そういう経済ショックって、必ず起きる前は静か。そして多少の人々は事前に気が付き始めてる。おかしいな、そんな高い値段が付くはずがない。けど高い価格は保たれているし、明日もそうだし、未来はもっと値上がりするかもしれない。そうやってお金がまわっているうちはいい。ただし、あるとき必ずまわらなくなる。なぜなら、本来の価値に気が付いた人がお金を出さなくなるから。この資産でこの金額は出せない、と。

また、価格というのは、今の価値だけではなく未来の潜在価値まで表現することがあるから、皆が未来が明るいと思っているうちは高い価格になる。しかし、未来がないとわかった途端に現在の価値にサヤ寄せする。その見込み違いの幅が大きければ大きいほど、経済ショックとも言われる急激な調整が起こる。

なんとも今は、多少そういう状況が近づいているのではないか、と思うようなお金の動きをしていると思う。インフレが進みすぎてモノが売れなくなっているという兆候をちらほら聴いている。企業は価格転嫁が進んで売上や利益が伸び、今後経済規模が成長するなんてシナリオでここ最近進んできたけど、足元では辻褄合わせに限界が来ている可能性がある。

こんな話を聴いた。

 

pc.watch.impress.co.jp

シャープは欧州市場から撤退した。その理由について、Dynabookでは次のように説明する。

 「欧州経済は、エネルギー価格の高騰、インフレ圧力の高まり、ウクライナ戦争などの影響で、企業および消費者の信頼感低下をもたらし、大幅な長期収縮に直面している。PC市場に関しては、コロナ禍においてリモートワークの広がりによって勢いを持ち、大幅に需要が急増したが、2021年末以降に劇的に低下し、欧州市場全体では前年割れの状況にある。過剰なチャネル在庫のために競争が激化している一方で、顧客の需要は依然として弱く、とくにローエンドやボリュームゾーンセグメントでの値下げ圧力が引き続き強い」と、欧州市場における大きな環境変化を指摘。

 

ヨーロッパはエネルギー代が大変なことになっているんだという話は聞いていたが、こうやって現地の状況が日本企業にも影響を及ぼし始めている話を聴くと、なんだか、このまま行かないんじゃないか、という気持ちになってくる。

 

www.nikkei.com

政府が6日に閣議決定した2022年度のエネルギー白書によると、日本の23年1月の電気料金は20年1月から3割上昇した。欧州連合(EU)は5割上昇、イタリアは3倍になった。ロシアのウクライナ侵攻が世界の電気代高騰に拍車をかけた。再生可能エネルギーの普及拡大や省エネを加速させる必要がある。

 

さっさと撤退して、出血しないというのは大事だと思うが、今後他の企業も緊縮的な対応をしていくとすると、リスクも考えて色々準備しないと痛い目に遭うなと思う次第である。

日本は、「4年ぶりの開催です」みたいなイベントに沸いて楽観的な雰囲気が沸いている。賃上げが相次いでいるせいもあるか。しかし、世界情勢は結構緊迫していて、なんとも、のんきすぎるような気もしている。