orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

人気の職業って危ないんじゃないの?

 

IT業界なんて今では持てはやされている(ほんと?)けど、私が新卒で入った25年前は不人気・・というより、知名度が低かった。他人に仕事内容を話してもピンと来られないのがずっと続いた。銀行員とか、商社マンとか、一言でズバっと言える仕事ってあるでしょ。ITって今でも謎なところもあるし、人に説明できない仕事ってなかなか妙な感じだった。

今では、プログラミングだのWebだのAIだのって、ブランドイメージがついちゃって、その方面にはたくさん人が流れている。でも来ないね、インフラ系にはなかなか。おそらく取っつきにくさがあるんだと思う。基本情報処理技術者試験の内容は初学のインフラエンジニアにピッタリとおもうんだけど、あの内容をラーニングすること自体に参入障壁があるような気がする。急がばまわれなんだけどね。開発とかって今では、ブラウザでインターネットにさえつながれば学習を始まられるので、そっちの道の方がきれいな気はする。きれいな道だからいい道かというと、絶対にそんなことはないのだが。

人気の職業とは聞こえはいいが、市場が必要な人材量に対して豊富になりたい人が現れるので、競争相手が多い。競争相手が多いと勝ち組と負け組が発生し、全員が勝てない。勝てないと仕事するのが楽しくなくなる。優れた人と劣った人がいて、そして仕事の量が争いだとしたら、優れた人の方に仕事が寄って行ってしまうよね。

一方不人気の職業。インフラエンジニアなんてIT業界限定では不人気に属すると思う。開発エンジニアが多数の業界で何でインフラやってるの?なんて雰囲気は2000年初頭からあってまだ抜けない。今はクラウドエンジニアやらSREやら、変な呼び方でイメージを変えようとする動きはありそうだけど、自分で名乗ることはないかな。クラウドができるインフラエンジニアです、くらいのニュアンスが精いっぱいと言ったところ。

ところが、長年やってきて食いっぱぐれない。これは仮説だけど、不人気なせいで競争相手がいない。市場にいる人でやらねばならぬ仕事をシェアし、なんとかこなしていかなければいけないね、と言う様子が現状。なぜこれだけ、コンピューターに依存した社会が出来上がったのに、動かし続けることを専門とする仕事が不人気なのか。それは、コンピュータが24時間365日動くのに対して、人間は週5日、1日8時間働くのが普通ということのギャップだね。彼らは人間が働くときに「調子悪いんすけど」なんて言ってくれないので、それを支える仕事ってのは人気をそりゃ落とす。

開発エンジニアだって保守はするから休日深夜の対応はあるけど、最前線に立っているのはやっぱりインフラ特に運用エンジニアと言われる人たち。

インフラの技術分野もどんどん景色は変わる。トレンドが数年おきに来て、今までの知識を全部古いものにしちゃったりもするのできついし、新しい案件は新しい技術だしというので、楽かというとそんなことはないと思う。常に新しいことに関心を持ち、全部はやらなくてもいいけどこれは今から来るっていう技術には人より先に食いつかないと負ける。そんな世界。

でも、いかんせん、大変だということが先に立ちすぎていて、いざなってみると、こりゃ競争相手どころか新卒すら入ってこないので、なかなか誰かに取って変われる気がしない。というか、もう煮込みすぎたインフラエンジニアで、ここまで25年の経緯を全部見てきましたってだけで食っていけちゃう現在、どこぞの人気職業が立ち上がる度に、そんな人気のある仕事にみんな良くついていくなっていつも思ってたけど、まあそれは正しかったようにも思う。

人が嫌がる仕事、難しいと言われている仕事、誰もが一番には選ばない仕事、そんなところに旨味があったりするから、ほんと世の中って素直に見ちゃいけない。