orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

「これを知ったら他人より勝てる」的な話は短期間で無効化されると思っていい

 

この世の中は競争であるからして、人は少しでも競争に打ち勝つために方法論を学ぶ。ある手法を行うと成功する、と成功者が本を出して、数か月から1年くらいはバイブル的な人気を博す。

自己啓発のコーナーには今日も新刊が並び、我こそが次の方法論だと争っているが、そろそろ人は気づいていい。成功者が成功した方法はある時代のある条件で、かつ周りが気付いていない時に実施した、希少な例のことを言っているのである。他人が真似したところでまずは条件が違うから、適用できるかわからない。それに併せて、本になった時点で他の読者も同時に同じ方法を学習するので、他人を出し抜ける方法にはなりえない。

その時その時の最新の自己啓発テーマを常にアップデートしておけば勝てるのではないか、そんなことを言う人もいる。このトリックがうまいのは、自己啓発を他人に仕掛ける人が継続して食べられることだ。一度成功したことをエサに、成功者○○が唱える、今一番新しい他人に勝つ秘訣はコレだ、という本を延々と売ることができるということになる。傍から見ていると、常に新しいことをまとめて、自分の言葉下のようにしゃべるだけで集金できて効率的だなと思う。そして、お金を支払っている人はいつも同じグループであるという推論も成り立つ。このグループに属する人たちは、成功者○○をハシゴする傾向にある。ある人は、ここ最近同じようなことしか言わないし、実践してみても結果が出ないから・・と次の成功者へ乗り換える。いつか正解があるだろうと延々と時間とお金を費やすという結果となる。

簡単に言えば、例え、必勝法的な方法論があるとしても、真に重要な情報というのはなかなか世に出てこない。人に勝てる方法を人にホイホイと授けるって、正気の沙汰ではない。だから、世の中に出ているほとんどの情報は、そう思い込ませるためのファストファッション的な、大量生産的消費財で、気持ちよくなったらポイと捨てられるだけである。その消費を常に行っていないと不安になる層がおり、常に需要があると思ってよい。だからツイッターには、今日も人の不安を煽り注目を自分に集め、そして自分からほとばしる成功論的な情報商材にマネタイズを実現しようとする計画的猛者どもが集結ししのぎを削っているという話である。

ちなみに、過去私が自己啓発的なものをいくつも素通りした中で、唯一採用しているのが7つの習慣なのだが、もう発行から15年以上経つ名著だ。で、だいたい7つの習慣いいですよ、という話を言うと「こんな古くて字ばっかりで小難しいものじゃなく、もっとわかりやすくて最新で速攻性のあるものないの?」みたいな反応をされる。いや、こんなに時代が経っているのに未だに読み続けられている名著なんだが。きっと求める人の思いと異なるのであろう。私はそんな沼に足を踏み入れたいとは思わないし、思ったことを相変わらず、そのときに表現し続けるだけである。他人に伝えて、他人がそれをそのままできるとは思えない。エンターテイメントとして話を続けていくのみである。