orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

コミュニケーション能力に悩む人、ビジネスチャットの救い

 

私の組織のワークスタイルは、基本をビジネスチャットにしている。特にコロナ禍でリモート中心になったときに大活躍した。最近はオフィス出勤が増えたが、オフィスにいても重要なことはチャット上で会話するようにしている。

チャットでやりとりをすることによって内容がテキストで残る。その残った内容を周りのメンバーも読むので、情報が伝播する。一対一の会話は、残らないし周りのメンバーも知らない。この大きな性質に気づいていない人は結構多い。

また、根幹のコミュニケーションをチャット中心にすることにより、リモートにいようがオフィスにいようが、どこにいても同じ仕事ができる。デフォルトをチャットに置くことで、オフィスの呪縛が無くなる。

チャットはテキストでのコミュニケーションだが、会話が苦手なメンバーには居心地が良いようだ。部下と私の年の差は結構あるので、会話だと緊張する人もいるらしい。チャットだと入力前に見直せるし、まとまった内容をポストできるので、会話が成立しやすい。

オフィスで他部署を見ていると、相変わらず電話を多用している人もいるが、かなりの無駄に見える。同じようなことを長時間話していたり、多すぎる情報量のやり取りをしている。それはテキストで残らないので、きっとどこかでメールなり課題管理ソフトなりで再度手入力することになるのだろう。情報伝達のために会議を開いたり、もしくは伝達の手間を省くせいで担当者が情報を過剰に握ってしまい、属人化したりするのだろう。

チャットで会話をすることに慣れた後、オフィスで対面で会話すると相手のキャラクターもわかるので、話もしやすくなるという副作用もある。対面での会話は、思うに人によって随分差があると思う。一方で、急に上手になることはない。対面の会話が上手ではないけれど、仕事ができる人はいて、チャットでうまく要件を伝えられれば良い仕事をしてくれるので、これはいいな、と思うことが多い。

もし、対面でのコミュニケーションが苦手で、それが仕事をするにあたって、ボトルネックになっている自覚がある人は、対面を前提としない職場もあることを知って欲しい。ビジネスチャットなどのデジタルコミュニケーションは、特にコロナ禍に限定したワークスタイルじゃない。苦手なら別の手段で補えばいいし、マネージャーも、そういった社員にわざわざ対面でのコミュニケーションを強いて、パフォーマンスを出させないというの愚策に思う。これだけデジタルツールが闊歩する世の中において、苦手なことをさせて手足を奪うか。

なお、そうなると対面のコミュニケーションをどう使うのかという話になる。上手な人は相変わらず対面重視で仕事をしてもらって構わない。問題は苦手な人。苦手であっても、会話するメリットは大いにあると思う。情緒的な情報の交換は、チャットは苦手だからだ。下手でもいいから少しでも会話しておくと、仕事がしやすくなる。

集まって仕事をしたり、顧客に直接会いに行ったりする理由を、仕事そのものに求めるのではなく、仕事をしやすくするための関係作りと捉えた方が良い。私の現場においてだが、仕事自体はチャットなどでも十分できるのだから。

対面での会話が苦手なことを前提として、それに頼らないワークスタイルは、かなりの人を幸せにできると思っている。全員が上手なわけはなく、そして下手な人でも生産性を上げて欲しい。そう考えると、チャットでの仕事はもっと広がるべきだと私は思うのだが。