orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

お仕事は、人を10倍にすれば10倍速くなるというものじゃないんだよ

 

最近、仕事でもRTA(Real Time Attack)、つまり時間の制約がある中でいかに仕上げるかみたいなことに挑戦させられている。たくさんの仕事が次々と降りてきて、次々と仕上げないと渋滞してしまう。渋滞状態は最も精神的につらい。締め切りが決まっているから急がなければいけないのに、車は前に進まめないのである。渋滞って面白いよね。みんな詰まっているからどんどん時間が過ぎていて、それこそ全員が急ぎたいのにスピードが出せない。人の仕事でも同じことが起きるのである。

人の情報処理能力も、車の運転と似たところがあるのかもしれない。車道が空いていれば自動車単体の性能と比例する。50km/hで進んでいた車が100km/hで進めれば倍速く到着する。ところがどんなに高性能自動車を投入しても、車道が混み出せばその性能を出すことができない。

仕事の話に戻すと、仕事が渋滞しているときは「できる人を連れてくる」は必ずしも解決法にならない。渋滞している原因を把握し、交通整理し、優先度の低い仕事はそもそも凍結させないといけないかもしれない。チームを複数に分けて、独立性の高い仕事を複数作り、集中して対応させないといけないかもしれない。チームで情報共有するためのルールを運用しなければいけない。アクセルを踏むだけの単細胞では乗り切れないのが、仕事における渋滞現象の特徴である。必要なのは自動車ではなく、道路や信号だったりする。

できる人がいたとしてもシングルタスクでの性能とかもしれず、これもよろしくあれもよろしく、と任されると途端に、シングルタスク自体の性能が落ちることがある。あれも気になって、右から左から多種多様な話が振られて、能動的に仕事ができなくなってしまう状況の結果、できる人なのにできなくなることが起こる。

組織がしっかりしている企業なら、専用の職種・・プロジェクトマネージャーのような・・が用意され、スペシャリストが集中できるように環境を整えてくれるだろうが、小さい会社だとそうはいかないのである。

自分で優先順位を付けて。仕事を切り分けて。理解可能な形に区切って部下に投げたり。自分で処理するしかないと割り切ったり。それらの、シングルタスクを集中させない要素が、本来の能力を奪う。自分でマネジメントしながら自分がプレイヤーをやったり、マネージャーをやったりと、こんな状態だと品質も落ちて当然だ、と思うわけである。

このような日々を中期的に繰り返して気になることがある。頭の計算力を使いすぎて、プライベートも含めてポカが増えることだ。持っていかなければいけない物を忘れたり、スケジュールに書いてあったことをやらなかったり。そもそもやった仕事なのに詳細を思い出せないこともある。おそらく人間の性質じゃないかな。思いもよらぬポイントが抜ける。人間ってそういう作りなんだな、と冷静に考える。それならば方法はあるということで、大事に至らないうちに周りに相談だ。周りも急に仕事をたくさん振ると混乱するので、少しずつ少しずつ、加減しながら負荷を移していく。

大勢で仕事をすることは簡単じゃない。

お仕事は、人数を10倍にすれば10倍速くなるというものじゃないんだよ、ということの言語化をしてみた。今まさに経験していることがそういうことなんだろう。