orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

職場における「活気」の効用と、在宅勤務

 

最近、メンバーの人数を増やしたこともあって、オフィスで働いていると「活気」が出て来た。活気とは何かを定義するのは難しいが、面白いのは、メンバー本人たちだけではなく、「全く関係のない周りの人」も感じることだ。あのエリアは活気があるね、と組織の外から言われるようになった。仕事内容はわからなくても、楽しそう。コミュニケーションが活発だ。真面目に仕事している。印象は色々だが、悪いことは一つもない。

活気がある部署になると得なことがいろいろある。部署の成績がいいと「メンバーが熱意を持って働いているから」ということを説明を尽くさなくても理解してくれる。メンバーたちが優秀だから、あの部署の成績もいいんだろうな、と勝手に解釈してくれる。

活気のある部署であるだけで、職場においての注目度が上がる。なんかわいわいやってるな、楽しそうに仕事しているな。そしてビジネスもうまく行っているらしい。いいな、うらやましいな、というビジュアルをまとうと、何となく社内にいやすくなる。

興味深いのは、誰も本当のことは知らないことだ。活気があるを分解すると、メンバーの誰かが中核になったり、下支えをしたり、目に見えない努力をしていたりと、個別で見たらもっといろいろ理由はあるのだが、人々が「活気がある」で片づけるのがとても面白い。仕事上は全く関係ないからね。

 

そういえば、イーロンマスク氏が在宅勤務を大否定したとか。

 

www.bloomberg.co.jp

同氏はCNBCのインタビューで、自動車の製造や修理、住宅の建設や修復、食品の生産を行う人など、人々が消費するあらゆる物をつくる人が「仕事に行かなければならないのに、自分は行く必要がないのが当然と考えるのはひどいことだ」と述べ、「生産性の問題だけでなく、道徳的に間違っていると思う」と語った。

 

仕事を選ぶ権利は人々にあるので、それぞれに労働条件の違いがあることが、道徳的に間違っているとは全く思わない。在宅勤務ができる業種は、在宅勤務のメリットを躊躇なく取り入れるべきだと思う。

ただ、冒頭の通り、職場に出て一緒にチームで仕事をすると、一方のメリットとしては「活気が出る」ことだ。一緒のメンバーで共通の目的に向かって切磋琢磨することで、組織の一体感が出る。メンバー本人たちの気持ちだけではなく、組織の外側にも発信できることで、組織の評価を高めることができる。

だから、私の職場だってフルリモートにしようと思えばできなくもないが、どうにも「週に1回」がベストだと最近感じている。週5通勤は体力的にも厳しいし、土日は土日で遊ぶだろうから、1日在宅を挟むとかなりライフバランスが良くなる。かつ、週に1日くらいは家で静かに籠って、デスクワークに集中すると効率の良さも感じる。

活気があるのはいいが、モチベーションも向上することで、何だか業務時間も伸びているような気もして、楽し過ぎる職場も行き過ぎると残業が増えるみたいなジレンマもありそうだ。その点、週に1度クールダウンをすることはいいのかもしれない。

また「たまには誰かがいないチーム」というのも興味深いことが起こる。普段あまり接点のない同士で会話することとなり、コミュニケーション事情が発展したりする。適度な変化がチームの中で起こると飽きないので、活気を持続するポイントとなったりする。

そういえば、活気が出るようになった一つの要因というのは、私がほとんどの業務についてチームにお任せするようになってからだ。やっぱり、上から細かい指示が迅速に矢のように降ってくる職場って、仕事時間ずっと小テストをやっているみたいになって、緊張するし委縮するし、そしてやりがいも薄かったんだろうな。全部任せるのは始めは戸惑ったけど、任せてしまえば、すごく主体的に運営してくれる。そこからかな、活気が生まれたのは。

マスク氏の言い方は誤解が多すぎるが、オフィスに集う意味ってのは大いにあり、そのカギは「活気」なんだと思う。