orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

忙しいには二種類ある

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本業が忙しくなって参りまして、いらすとやが毎日更新をやめる気持ちもよくわかり、私も更新がきついと言えばきついのですが、こちらは何としても続けていきます。

さて、この、忙しい、というのが「タスクが積みあがって忙しい」という意味だけだとまだレベルが低いと思います。

何かよくわからないけど、タスクを定義することができていなくて、将来生み出されるべきタスクを放置して、手が動かせないでいる。

仕事というのは二段階あります。

①仕事を完了させるためのプロセスと成果物を決定する。

②1つのプロセスをいくつかのタスクに分割し、メンバーで手分けする。

人手が足りていて暇そうな人も多いのに、なぜか仕事はいろいろあるのがわかっていて、なぜ進まないのかが説明不能という状況が起こることがあります。

それは仕事が初めて挑戦することであったり、仕事のための情報がまだ完全にそろっていないときに、①で足ぶみしてしまうのです。

しかし、仕事には納期があるので、納期が近づくにつれて急にいろいろと成果を出さなければいけなくなって、突然場当たり的な仕事が増え、現場がデスマーチになるのが、②での忙しさだと思われます。

私が今味わっているのが、まさにこの①が決まらないことによる焦り、です。

この仕事を完遂させるためには、いったい何をやればいいのだろう。これを考えている間、周りのメンバーに相談しても、いろんな人がいろんなことを言います。どういう風に辿りつくかにはいくつもの選択肢があるからです。目的をきちんと決めるまでは、メンバーは待機状態となるでしょう。最終的にはマネージャーが決断しないといけません。これができないマネージャーが、結局は納期ギリギリまでプロセスを決めず、最後の最後に短い時間であれこれとあがくのでタスクが積み重なり、メンバーに怒鳴り散らすことになるのでしょう。なんでこうなるまで、誰も何もしなかった、と。

そうならないためには、やはりマネージャーたるもの、このままプロセスを決めないで放置したらどうなるかを具体的に想像しなければいけません。それはもう、地獄絵図です。おそらく①の段階をきちんとやってしまえば、②の段階、つまりタスクをこなすことそのものはマンパワーと技術力の問題だけになります。タスクが明確であれば、積み重なったとしても進捗管理さえすれば、未来を予見することはそんなに難しくありませんし、スケジュール通りなら忙しさもストレスにはならないと思います。

一番最悪なのが、①をやっていないのに、各メンバーが意思統一せずいきなり②をやってしまうパターン。以前同じことをやったことがあればほぼ①は完成しているので②から始まるのですが、全部が前やった仕事、なんてことはありません。

①をすっ飛ばして②を始めると、みんな登る山が全然違っていて、成果物を組み合わせても仕事の完遂にならない。だからレビューを繰り返して、無駄なタスクを何度も発生させ、その挙句に、いったい何を作っているのかわからなくなってきます。

こう考えていくと、マネージャーはとても危機感を感じているけれども、メンバーはぼんやりしている、と言う状態は健全だと言えます。マネージャーが①の段階を完遂しないので、②に入れない。マネージャーがこの状況に危機感をおぼえるのはいたって普通です。もしくは、メンバーが、マネージャーに早く①やってよと指摘するのも正しいでしょう。そういうことができるメンバーは、将来のマネージャー候補です。

ということで、この一週間ぐらい、自分ばっかり危機感が募ってきて忙しいととても感じるのに、メンバーの手は余っているように見えて、何が起きているんだろということが今日あたりに明確になりました。まさに①で滞留していて、どうやれば仕事が完遂するのかを考える時間が足りていませんでした。遠くの方に大きな山が見えているのに、誰も登る準備をしていない。これが私の忙しさの正体でした。

今日、その状況のシェアができ、どういうプロセスにするかについてメンバー全体で考えて定義しようという話が動き始めました。マネージャーが①を全部考える必要はないのですが、基本的な考え方はメンバーに伝える必要があります。じゃないと、メンバーが考えたことをちゃぶ台返ししかねないのと、全部丸投げならマネージャーの意味がないからです。

忙しいには二種類ある、というお話でした。