orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

競争相手が多い=レッドオーシャン、とは限らない理由

 

レッドオーシャン、ブルーオーシャンって概念って随分一般化しましたよね。

 

[新版]ブルー・オーシャン戦略 Kindle版

 

2005年に初版、そして2015年にいくつかの章を追加され新版として上記が出ています。もう8年前になるんですね。

意味をおさらいしましょう。

 

news.mynavi.jp

ブルーオーシャンとは、競争相手のいない未開拓市場のことで、文字通り「のどかで穏やかな青い海」のような市場です。競争相手がいないということは、今まで誰も考えつかなかった新しいビジネスこそがブルーオーシャンであり、自由な発想やユニークなアイデアから生まれ得るものといえるでしょう。

これに対し、競合がひしめき合う激しい競争状態にある既存市場のことを「レッドオーシャン」と呼びます。文字通り「血で血を洗うような真っ赤な海」のような市場です。

 

さて、最近はよく、レッドオーシャンには行くなと言いますよね。競争が激しいから。勝てる人は一握りだから。

そりゃそうなんですが、もっと頭を柔らかくする必要もあります。

競争相手が多いからと言って、本当に真っ赤な海なのか?ということです。

供給(競争相手)が多い反面、もっと需要(要望)が多い可能性もあります。その場合、競争相手と手を取り合って高まる需要を受け取りにいかないといけません。

その場合は、同業他社は競争相手ではなく、協力相手になります。会社間であればむしろ、合併したりします。昔スクウェア・エニックスが別々の会社だったように。

本当のレッドオーシャンとは、限られた市場にたくさんの競争相手がいて競争激化している状態ですから、市場規模やこれからの成長度合いを見定める必要があるのです。

市場がどんどん伸びている状況では、むしろ競争がおきないんです。去年までのITなんてそんな傾向があって、どんどん大手が人材採用していたおかげで、私の会社では全く採用をかけても人が来ない時期が続きました(経験済み)。

 

一方で、ブルーオーシャンならいいのか。

競争相手がいないから、競争しなくていい。

ところが市場規模が小さい上に成長性がないと、誰も来ない場所に、一人で座って店番しているのと同じ状態になります。競争相手がいないが、お客もいない。

競争がないから良いのではなく、市場規模がある程度の大きさがあるのに誰も入ってこれない、というのがブルーオーシャンの良さです。

ブルーオーシャンが成り立つ条件として、ある程度の需要があるのにも関わらず誰でも簡単に参入できない、というものがあります。仕事はあるのに、仕事を受けられる人が常に少ない。だから、営業をかけなくても客が切れない、と言う状態ですね。

単に、競争相手の数で、ブルーかレッドかはわかりません。

中長期での需要の強弱を捉える必要があります。

ブルーオーシャンだと思っていたけれど、どんどん人が入ってきてたちまちレッドオーシャンに。市場も広がっていかない。これも悪いパターンです。

 

ざっくり言えば、その市場に飛び込む前にここはブルーかレッドかなんて、予想は難しいと思います。例えば今、AIの分野が盛り上がっていますが、たくさんの人がAIの話をしていて、一見レッドオーシャンに見えますよね。ところがもしかしたら、爆発的にAIの市場が広がるかもしれなくて、そうするとむしろ今AIをやっている人は先行者利益で、爆発的なAIの広がりを総取りできるかもしれない。

AIがいまいち普及せず、しぼむ可能性だってあります。

将来を読むことは難しいので、まずは、自分自身が情熱を持ってできる間は何でも取り組めばいいとは思います。結果、運よく市場が伸びて行けばそのまま乗っかっていけばいいし、ダメだと思ったらまた別のことをやればいいわけで。その見極めの方が大事です。マーケティング的な志向で未来を検討するより、やった人だけがわかる現場の情報の方がより確かですから。

結論として、ブルーだレッドだというのは結果論であることが多い、ということは言っておきたいと思います。