orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

ブルーオーシャン戦略ってもう古いのかもしれない

 

ブルーオーシャン戦略は、ビジネスの中にいる人なら結構有名な話。

 

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ブルー・オーシャン戦略とは、従来存在しなかったまったく新しい市場を生み出すことで、新領域に事業を展開していく戦略です。新市場を創造することにより、他社と競合することなく事業を展開することが可能になります。

 

[新版]ブルー・オーシャン戦略

 

じゃあ、存在しない市場を作って起ち上げればいいのね?、と突飛なことをビジネスにして立ち上げようとするも、全く人々に共感されず尻すぼみで終了。そんな話はよく聞きます。誰もプレーヤーはいないので競争はないのですが、いかんせん売れなければ意味はない。

ブルーオーシャン戦略は、切り開いた新しい市場が将来必ず大きくなることが前提だ。そのときに市場シェア率を高めていれば、後は市場の急成長に合わせて自動的に大きくなっていく。これを先行者利益と言う。

成長しない市場を自分で作ってシェア100%だって言っても、空き地に秘密基地を作ることまでしか意味しない。日々の売上や利益が当初のままなら、組織も大きくなれず、運転資金が枯渇に向かっていくだけである。

 

もう7年くらい前かな。自分ごとだけど、すごく参考にして新規事業を起ち上げた。確かにシェアも取ったし、市場も大きくなった。部門成績を時系列に並べるときれいに右肩上がりなのでやって良かったな、と思った。誰もやらなそうなことだったので、逆に率先してやってみたらできた。一方で相変わらずだれもやらないので、成長していくと他社は参入できにくくなった。経験のある会社に仕事が流れやすくなる。こちらはもう何年も経験があるから、今参入してきた会社には勝ち目がない。

よかったよかった、となるかというと違っていて、市場自体は大きくなっていくとして、部門が自動的に大きくなるためには、人材が必要だということだ。

人材が必要ということは、採用力が必要となる。でも今、IT人材は取り合いとなっている。もし技術に自信があるというのなら転職活動してみるといい。どこそこからオファーが来ると思う。他の会社で活躍している人材を引き抜いたら、まあ楽だよね。教育する手間も無く、仕事を任せて成長をドライブできるから。

業界全体が伸びていることもあり、人材の確保が難しいということは、ブルーオーシャン戦略を元に成長路線に乗れば勝てる、と言う時代は終わったのではないか、ということだ。

首都圏は人が集まってくるから人材の宝庫、だからIT業界は東京周辺に会社が集まっている。というのはこれまでの話。どうにも首都圏自体は飽和状態でかつ高齢化が進んでいく。同時に少子化が進む。人材集めに困るのはまさにこれからだ。

昨今、生成AIに注目が集まっているのはこの点の解決になるかもしれないからだと思っている。ビジネスを大きくするために、人材を集めるのではなく、AIを拡張していくイメージ。特にこれから人口が減っていく現実をイメージし、AIを確保すれば少ない人数でも回せる時代を到来させたい意図が透ける。

または、会社の垣根を超え、成長市場に対しユニオンのような形で取り組んでいくこと。いちいち人を転職などで移動させるのは生産性が悪い。会社連合で市場の成長を共に支えていくというイメージ。

そう考えると、プレーヤーの数や競争の激しさで、レッドやらブルーやらと言っているのは考え方が古くなるのではと思っている。競争相手と思っていた会社とこれからも競争するのではなく、手を組んで一緒に市場の安定化に努めていく必要性がますます上がって行くのではないかと思っている。

競争の時代は、もしかしたら終焉を迎えているのかもしれない。