orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

残業時間が増えているのですが・・という相談

 

先日、「残業時間が増えて来た」という相談を部下から受けた。

ほんの少し前まで、私が自分のチームをリードしていたときは、かなりの効率化を行い残業がゼロになるように動いていた。しかし、このままでは部下が自立せず、言われたままのことをやるだけの文化が浸透してしまうと思い、チームの運営をまるっと部下に任せて数か月。その結果、残業が増えて来たようだ。

どれくらいの残業時間かな?、と聴いたが実際は大したことがなかった。それぐらいなら許容範囲、という数字だったし、残業時間が増えすぎて過労を訴えるほどのレベルでもなかった。ただ、彼らにとって残業をする、と言うこと自体が新鮮だったのだろう。残業について上司にどう見られているかが不安だったのかもしれない。

部下にはチームリードを任せた事実もあるし、その中で突発業務が増えて彼らなりに頑張った結果残業が増えたのだろう。それはそれでいい気がした。やり方を工夫して、残業を減らすことも今後できるだろうし、品質を気にして減らさないのも彼らの手段だと思う。残業代をもらうと給料が若干増えるのも、彼らには魅力かもしれないし、そうでもないかもしれないが、感知しない。

私自身は既に残業代など出ない身なので、残業などさらさらするつもりもないし、していない。ただ、彼らはきっと、少し見方は違うだろう。お金が出ることと、後は残業してでも質を高めたい欲求みたいなもの、残業と言う概念にはいろいろ混ざっている。部下に、チームを自分たちで作っている自負があるとすれば、お金だけが理由じゃないはず。きっと、残業になってもより良い仕事をしたいという欲求も出てくるんだろうと思う。ま、早く帰りたいよね。時間も大切。

とりあえず、残業時間の程度というか、これ以上の時間を使うと会社から注意が来るよ、という話だけをして、後は彼らに今後どう残業時間をコントロールするかも、任せることにした。彼らも、いつもいつでも残業したいなんて思ってはないだろうから、何らかの着地点は考えるはず。

さすがに、早く帰ったのに残業をつけるみたいな不正になるようなことは彼らもしないので、何かの形で残業時間を消費しているのだろう。いったい何をしてるんだろう。それは残業してまですることなのか。次の日にまわしてもいいことを残業でやっていないか・・・。

こういった、残業時間の締め付けのようなことは、昔はやっていた。でも、今は全くやっていない。むしろ残ってまで仕事してくれるなんて偉いなあと思うようになった。最近は、お金よりも時間の方が価値が高いんじゃないかと思うくらいだから、必要がなければ残業などしないはずなんじゃないかな。部下たちは、会社にとって、仕事として価値があると思って、残業してくれてるんだろう。残業時間が跳ね上がらない限りは極力、ありがとう、と思って内容は吟味せずに、残業することを認めるつもりである。

このチームの残業についてどう扱うか、マネジメントの考え方が色濃く出る部分ではないか、と思う。一見、マネージャーが部下の残業を厳しく監視し、残業無しで働かせることは良いマネジメントのように見えるが、それをやるときっと、定時内の業務の密度が高くなる。残業しない働き方をマネージャーが、定時内も監視することになり、結果としてマイクロマネジメントの状況に近くなる。それは最近ではまずいと考えるようになった。仕事は自律的に取り組んで欲しいから。

「残業時間?、ある程度は君たちに任せるよ。あんまり採り過ぎると会社から注意を受けるので、業務を効率化するなどして、うまく対応してね。」

私がこの答えができるようになるまでには随分時間がかかったな、という感想だ。