orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

2倍に売上を伸ばしたいと思ったときに考えるべきこと

 

売上を2倍にしたい、と思ったときにもっと売ればいいという考え方は普通にするだろう。しかし、本当に売上を2倍にする計画を立てていいのか、再考する必要がある。

 

①売上を2倍にできるだけの生産能力があるかどうか

例えば作業者2人が100%稼働して、今の売上を達成している場合、2倍にしたら残業まみれになる。むしろ精神を壊して、今の売上すら達成できなくなる必要がある。

ということは、売上を増やす前には、人員や設備に余裕がある状態を確保しなければいけないということになる。もちろん、余裕ありまくりでどんどん仕事来い、という状況なら問題なし。

生産能力がないのが明らかな場合、緊急に生産能力を確保するのか、もしくは今後も必要な生産能力になるので継続的に社員を増やしたりして対応するか、または、その両方ができないので売上そのものを諦めるか、見極めが大事になる。

 

②継続性のある売上か

単なる一過性のブームに乗っただけで、翌年度以降は元に戻ってしまうということもある。その場合、生産能力を増強、例えば社員数だけ増えてしまい、人件費ばかりかかる割に賄うだけの売上がない、という状況に陥る。

継続性がないと判断する場合は、社員を増やさず、パートナーを探して一時的に人を増やし、やっぱり継続性がなかったねとわかるやいなや切り離すという手段が考えられる。

派遣やSESがなくならないのはこのためだ。仕事が安定的にあるかよくわからないので、一時的に増やしたり減らしたりするために、社員の人件費より一時的に割高でも人をかき集めたり放出したりする。

また、継続性のない売上の嫌なところは、来年度の計画を作るときに「前年より成長するよね?」という謎の期待を浴びることだ。変に失望されるよりは、無理に一時的に売上を伸ばすより、継続性のある売上を少額でもいいのでタッチしたい、と思うことのほうが多い。

 

③質のいい売上か

この世の中、都合のいい話などなかなかないもので、売上は上がるが、作るのにもっとお金がかかり、儲けが出なかったり最悪の場合は赤字、みたいな話もよくある。

特に、普段は数十万の仕事しか扱っていなかったのが、急に一千万クラスの仕事が来たときに、あまりに桁が違いすぎて見積の経験がないみたいなことがある。目の前の一千万の数字だけみたら「これだけお金があればできるでしょ」と思うのだが、それはわからない。やってみたら想定外のことが続出で、採算に合わないことがやったあとわかったということも、よくある話である。

金額の大小は関係なく、売上自体の品質が存在する。社内のノウハウがたまっていて、少ない金額で作れる場合はその売上は品質がいい。または、今回はあまり儲からないけど、今回の案件でノウハウを貯めこめば、次回以降は安くつくれる、みたいな戦略的な判断もありうる。長期的に見れば、質を高められるきっかけになる。

 

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こういったことを総合的に考えて、売上を取るのか、それともあえて取らないのかを判断するケースは仕事の一部だ。「なんでもやります」は案外危険なこともある。質の悪い売上の案件に戦力が巻き込まれ、いざ質のいい案件が舞い降りても誰もやれる人がいないなんてこともある。

やらないが正義なこともあるので、商売というのはいつも難しい。