orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

企業体質が古くなってしまう会社の特徴

 

会社に長く勤めていると、その中心人物たちが若かりしころは、発想も若いし経験も足りないので、いろんな想定外なことが起こりがちになる。そこを若さゆえの体力を味方につけて、経験値を付けて乗り切っていく。これが一人二人の問題じゃなく、世代全体で乗り切って、そして皆年を重ねていく。経験豊かなベテラン・シニアたちが40代まで上がるころには、若い感覚を残しつつ老練な判断ができるようになり、会社はより安定する。

ここまではいい。うまく行っている会社には必ず40代の中堅層が分厚くいる。

さて、ここからである。10年経ったらそのまま50代に上滑りするが、ここからだんだん世間とズレてくる。権力はあるから「俺たちの会社」を作りたくなるのが心情である。が、残念ながら俺たちは年を取ってしまった。もし自社のビジネスモデルにおける客層も年齢に合わせて変化させるのなら延命できるが、その客層いつまで持つのか。

そう、インターネット系の会社だって、2000年前後、実態は若者がこぞって支えていたものだ。その代表格のヤフーとLINEが合併するとのこと。

 

www.watch.impress.co.jp

Zホールディングスと、LINE、ヤフーの3社が合併する。2日に開催の取締役会において決議され、2023年度中を目処に合併を実施する。

Zホールディングス(ZHD)は、2019年10月に持株会社体制へ移行。'21年3月のLINE経営統合を経て、ZHDを親会社とし、中核完全子会社のLINE・ヤフーという体制を取る中で、経営統合によるシナジーの拡大を進めてきた。

 

今は2023年。あれから随分時間が経った。この企業も、経営者だけではなく、社員もずいぶんベテランばかりになっているはずだ。若手が入ったって、これまでの隆盛を支えて来た伝説の社員がごろごろしているはずで、そこで若い世代ならではの発想を輝かせるというのは、構造的にかなり難しいものがある、と想像する。

だから、随分もがいて、組織変革をされているんだろうな、と思う。

 

ここからは、架空の会社の話として書く。

企業体質が古くなることを放置したら、会社はどうなってしまうか。

若い世代を抜擢したプロジェクトをやろうとしても、おそらく下支えとして豊富なベテランが裏でレビュアー的なことをやるはずで、自然と「俺たちの会社っぽいもの」が選ばれてしまう。これは、当人がどんなに気を付けていても、豊富な成功体験が前に出るのは人間として致し方ない、と思う。

企業が古くなるとき、こんな現象が現れる。

・随分長い間、会社は急成長していないが安定している。
・新事業に長らく取り組んでいない。
・現行事業の周辺サービスを掘ることを新事業と思い込んでいる。
・数字(売上・利益)しか見なくなる。
・経営幹部で集まると、いつも変わらぬ人たちが集まっているが、年だけ取った。
・若い世代が30前後で辞めていき、新卒採用で補うことが文化になってきた。

こうなってしまうと、「昨日と変わらない今日」を過ごすことが目的となってくる。新しいことをやりだすきっかけが消失する。

しかし、長い年月を同一企業が過ごすうえで、どこかで「変わらぬ人たち」を一掃し、新しい世代に引き継がないと、新事業など夢の夢、ということになる。事業自体は安定はするが急成長はせず、ぬるま湯の会社のできあがり、となる。

それは、若い世代が辞めてしまうのもしようがないのかもしれない。

 

きっと、企業体質が古くならないためには、どこかでまるっと、新事業を構築するところから若手に全部、まるっとやらせないといけないのだと思う。ベテランがマイクロマネジメントしていると、いつのまにかベテランの考える「オレの考えた最強の事業」になってしまうから、である。

若手にイニシアティブを渡す気配のない会社はほんとにいつしか、ぬるいまま老けていく。みんなで一緒に老いていく。若手が付き合いきれないと逃げていく。ホワイトなのに。会社は儲かっているのに。なんでだろうと首をかしげる経営陣。

IT系にもそんな会社、多いんじゃないかな。業界が急に大きくなってから、随分長い時間が過ぎたからね。