これはネットの噂ではなく、実体験を持って感じているのだが、若手社員の心が折れやすいのだという感想を言う人が多い。今の40代近辺はとても辛い労働環境・文化を知っていてそれでも生き残っているので、心は図太い。その一方で若手を頼りなく思っているのかと思っていたけれど、それは何か違っていて、傾向としてそうなのだ、と強弁する人がやたら多い印象である。
株式会社カタドリ主催で行われた名古屋HRコミュニティのセミナーより、『イライラ・モヤモヤする 今どきの若手社員のトリセツ』著者の平賀充記氏の講演の模様をお届けします。世代の違い、価値観の違いから職場で発生するイライラ・モヤモヤについて、それが生まれてしまう背景と解消法について語られました。本記事では、Z世代と呼ばれる今どきの若手社員の特徴と、それが生まれた時代背景が語られました。
この記事で出てくる若手、は私が知っている若手より少し古い気がする。コロナ禍真っただ中における彼らはそう見えたかもしれないけど、2023年、大分オフィスに人々が戻りつつある状況で観察する限り、そんなに若手は強気じゃない。
そりゃそうだろう。対面で40代のベテランと若手が対したら、気後れするに決まってる。私の若い頃も怖かったもの。先輩たち。
きっと、Web会議やチャットツールのような、デジタルを盾にしたら強気でいれるけど、オフィスに行くと、ああ自分はまだレベル1か2か3だな、って思うのは若手どうこうじゃないと思う。
ただ、分かる描写があって「私はもっとできると思っていた」というくだり。できるわけねえじゃん、と。やってないんだから。で、やらせてみて失敗して、わかることがあるだろう、とベテランはやりたいんだけど、さ。
この失敗が、若手に絶望を与える深さが、きっと色んな人の想像を超えているんだと思う。
彼らはトライアンドエラー、じゃないんだ。
サクセスアンドサクセス、と言えばいいのか。成功を積み上げることで彼らの心理的安全性は保たれるんじゃないかと思うんだ。
なんとなくだけど、若手の心の中では「1機」しかないんじゃないか。スーパーマリオでも3機はあったぞ。無限1UPすら現代社会にはあるんじゃないかと思うけど、なんだか思いつめてるんだよね、若手。1度失敗したら何とも真っ青な顔をして、そこから、パフォーマンスが落ちちゃうんだよ。
そういう意味じゃ、今の40代で立ってる人たちって、ゾンビだよな。もう何度失敗したかわかんないし、すげえ怒られたし、理不尽な思いもした。だからこそ、「折れやすい」と思うんじゃないのかな。
なんだか、そう考えると理解できてきた。
きっと、失敗しても大丈夫だよ、ということをうまく若手に伝えていかなければならない。
失敗=ダメ社員、じゃないよ。何度失敗してもそこから学ぶ人が好きだよ、ベテランは・・・と言う前提が、きっと、かなりのギャップを生み出してるんじゃないかな。
その前提で若手と付き合うと、きっと失敗から学ぶ前に、若手が折れちゃう。1機だけで致命的で、2機、3機とやっているうちに、彼らは臆病になってしまう。主体的に物事を行わなくなり、プログラミングしないと動かなくなってしまうこともある。
ここは発想の転換をして、サクセスアンドサクセス、に合わせて育ててみるといいのかもしれない。細かく細かく成功を積み重ねさせてやる。これは結構塩梅が難しいマネジメントだけど、できなくはない、と思う。