orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

大きな仕事をいかにやりとげるか、2つの側面とは

 

大きな仕事、昨今では「プロジェクト」と呼ばれる。

どうやってプロジェクトに取り組むかは色んな手法があるが、ある程度手順が決まっているものならば、プロジェクトマネジメントの手法に落とし込めばたいてい何でも無難にやり遂げられるようになっていると思う。全体のプロセスを個別タスクまで分解し、必要なリソースと、納期を計算する。必要なリソースに個別タスクをアサインし、あとは日々進捗を管理すればよい。

これをシステム化し、同じような仕組みをたくさん増やしていく。そして需要があれば、ビジネスは急拡大する。それはわかっている。

しかし、プロジェクトはそんなに簡単なものばかりではない。誰もやったことがないこと、難易度が高いことについては、手法が使いづらいものがある。

そもそも目的に対してどのように辿りつけばいいかまだわからないときは、個別タスクまで落とし込むのはナンセンスだ。一つ一つのタスクが現実的かどうかすらわからない。それらをつなぎ合わせて1つのスケジュール表のように見せたところで、想定外が発生しまくって、プロジェクトは暗礁に乗り上げる。

プロジェクトマネジメントの手法自体が、解決策を提供してくれるわけじゃない。基本は、目的に対して、事前に想定外をできる限り解消しておくことが重要となる。

よく、PoC(Proof of Concept:概念実証)、ポックという言葉が使われるようになったが、昨今では最も重要な仕事であると思う。本当にできるの?ということを見定める仕事だ。

PoCとは言え、きちんとお金を頂くが、そもそもやり方自体があいまいなので、時間精算にすることも多いだろう。もしくは、請負だけれど、成果物はPoC中に実証した成果であり、成功するかは約束しないというやり方をするだろう。それぐらい、できるかどうかわからないことというのは世の中にたくさんあり、それをいきなりPoCなしで「案件」として受注することがどれだけ危険なことか。

プロジェクトが炎上したときに、プロジェクトマネジメントのスキル不足を問う人もいるが、実際なところPoCの段階でリスクを洗い出せていなかったことのほうが比重が大きいのが実感だ。個別タスクが必ず成功すること、の積み上げがプロジェクトがうまくいくポイントになるので、プロジェクトの途中で想定外がたくさん発生し、当初の個別タスク以外のことがどんどんあふれ、それにより後続のタスクは遅延、リソースは足りなくなり、そして納期が遅れる。こんな事例、たくさんある。この20年くらいでSIerもたくさん勉強してきたので、おいそれと営業も受注しなくなった・・とは思う。例外もあるだろうが。

このPoCの運営、したがって、マネジメント主体ではない。リーダーシップこそ重要になる。出来る人が能力を最大限発揮し、「必ず成功する」を積み上げる。積み上げた結果を元に、やっと信頼できるプロジェクト計画ができる。PoCのリーダーは1度はその実プロジェクトにおいてオブザーバー的に参加するかもしれないが、マネジメントはまた別の人がやるべきだと思う。スキルが全然違うからだ。PoCのリーダーが勤められるような高度なスキルの持ち主が、マネジメントに足を取られていたら、これはもったいない。

よく、リーダーとマネジメント、混同されがちなので、具体例で示してみた。あなたはどちら向きだろうか。