orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

組織を変えるにはどうしたらいいか チェンジモンスターとの戦い

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「チェンジモンスター」をやっつけろ

興味深い記事を見つけましたのでご紹介しておきます。

日経 xTECH Activeの連載記事です。

完結していますのでまとめて読めます。

リーダーとなって自部門を変革したいが、どのように取り組めばよいか体系的に知りたい方にお勧めします。 

 

active.nikkeibp.co.jp

アドビ システムズ日本法人は2017年に、ソフトウエア提供形態を「パッケージ販売モデル」から「サブスクリプションモデル」へ転換しました。主力製品のソフトウエア提供形態を三つのクラウド(Creative、Document、Marketing)に集約したことで、本格的に「売り切り型」から「継続型」へ顧客エンゲージメントスタイルを変革する必要がありました。

 この変革プロジェクトに、チェンジマネジメントリーダーとして関わった筆者は、さまざまな「チェンジモンスター」つまり変革に対する阻害要因に直面し、これを克服してきました。2年半にわたる変革プロジェクトの中で筆者が具体的な成果を出すまでの最初の100日を振り返ります。

 

考察

私はアドビの変革、のような大きな単位のチェンジマネジメントを体験したことはないですが、もっと小さい単位ではいくつも経験したことがあります。

なぜ変革しなければいけないか。このブログ然り自分の思考の中でたくさんの仮説を繰り出し何らかの結論を得ます。ここまではどんな方でも一緒じゃないかと思うのです。変わらなければいけないのだが、なぜ変わりたいのか。変わったら何が得られて登場人物はどうなるのか。そしてそこで得られた果実によって会社はどう発展できるか。

ここまではおそらく、その任を得た人は誰しもやることだと思います。わたしもやりました。で、納得して筋道が通って、いざ行動に移したところからが戦い、となります。

あんなにあんなに考えて、説明もたくさんするし、メンバーも反論もしてこないのに、やたらギスギスするようになります。理論的には正しい。そしてリーダーの弁も立ち、メンバーは1 on 1ミーティングでは前向きなことを言ってくる人も多い。しかし、なぜかなぜか、チームミーティングの場になるとネガティブワードの連続になり、言い出した方が負け、のような雰囲気になった記憶があります。

あのとき、私はどうすればよかったんだろうとトラウマのように思い出すこともあるのですが、結局はどうにもならなかったので思い返さないようにしています。しかし上記記事のようにきちんと立ち向かい成功を収めた事例もあるというのは大変興味深く、できればもっと前に知りたかったなと言う内容でした。

会社の方針に不満足で、自分の職域にも不満足で、そして組織にも不満足。でも会社にはいる。そんなチームをチェンジすることに四苦八苦しているリーダーはこの記事に全部目を通していただきたいです。

この内容の中に、以下の文言があります。

 

 ここで一つ、チェンジモンスターについて誤解を招かないように、きちんと伝えておきたいことがあります。それは「チェンジモンスターは人ではない」ことです。これはチェンジマネジメントに自身で向き合った経験のある方なら実感していることだと思います。

 

往々にして、うまくいっていない組織には「あいつが悪い」と言われる人が存在していますが、実はその人を外に出しても次の人が出てくるだけです。チェンジモンスターは人だと発想すること自体に問題があることを気づかされます。

次に、いきなりチームメンバーを鼓舞したり、叱りつけたりせず、経営陣に「100日プラン」という形でゴールを明確に線引きしています。私の時の失敗は、メンバーたちから矢や鉄砲玉が飛んできている状況で、経営陣から大砲が飛んできたことです。経営陣には常に「大丈夫です、心配ないです」といい顔をしつつ、現場は大火事。その結果現場が私を飛び越えて経営陣にクレームを上げ、その結果私は全方位から追い詰められることを経験しました。

まずは経営陣にゴールとプロセスを確約すること。ピンチの時は援護射撃をしてもらえること。この辺りを「あいつなら大丈夫」的な雰囲気で進めてはいけないということです。

その後著者はメンバーとの戦いに出向きますが、「論理的に示唆すること」が相手に不安を与え、その結果不信となる。この不安から不信へのベクトルを私も観たことがあると告白しておきます。不思議です。不安を掻き立てる要因は「不安の原因」であるはずなのに、なぜか不安を作り出す目の前のリーダーを排除することで、不安から逃れようとするのです。思わなければないのと同じなのだ、と。

その結果自分を飛び越して、自分の上司に告げ口が行くところまで似通っています。

著者は上司の理解を得られるところまでいきましたが、私自身はチェンジリーダーを降りるところまで経験しました。

その部署はいまだにチェンジできていないのですが、私自身は新しい部署でチェンジ後の世界を作ることができています。

ここにある「不安は不信に変わる」は金言です。

 

 しかしチェンジマネジメントを始めてしばらくすると、メンバーの一部が、私からの期待とその期待に応えるよう問われ続けることに耐えられなくなってしまいました。開始当初に14人いたメンバーのうち、一時的に半分近くが退職する事態となってしまったのです。

 

上記のように結局、メンバーの半分が退職したという記載があるのですが、私も実際そういう思いがあって、本当に変わるためには変われない理由となっている人を外さないといけないんじゃないかという思いがあります。

不信に変わってしまった不安は、戻らないのです。

チェンジモンスターは人ではないのですが、人に宿った不信は取り除けない。

メンバーを全員変えてでも、経営陣がチェンジリーダーを信じるか、それともチェンジリーダーを外してチェンジをやめさせるか。

最終的には、腐ってしまった組織に待っているのはそういう戦いなのではないか、そう思います。

 

 「小沢さんはモンスターだよ」――。
 私は社内でこんな言葉を耳にしました。2015年のチェンジマネジメントが終った直後の私が、次の組織変革に向かおうとしている最中のことでした。
 「モンスターと言われるくらい突き抜けているなら光栄」と、当時の私は強気な言葉を手帳に残しています。しかし内心は非常に大きなショックを受けていたことが、手帳に残った筆圧や殴り書きした文字の勢いから読み取れます。

 

身に染みる話です。

 

人から変えたほうが早い

私自身の自論ですが、技術より人格が大事。技術は身に着けられるが人格はなかなか変えられない。ですから、下手に技術があって人格が劣っている集団を率いるより、全員解散して技術が未成熟でもいいので、前向きで信頼関係を大事にし、WIN-WINであり続けられる新しい集団を作った方が早いし、結果も出ると思っています。

 

組織を変えるというのは、本当に難易度が高い作業です。

とても共感できる記事でした。

 

追記

違う角度から同じ場面のことを表現するとこうなるかもしれない。

不安が不信に変わるとはこう言う心の動きなのだろう。

 

www.atemonaku.com

 

多面的に考えて行かないと、真実はなかなか見えないものかもしれない。