ここ1年くらい、記事を書いた後、一週間後に表示される形でブログ運営してたんだけど、なんとなく「今」のことをすぐ出せないのにやきもきしていたので、変えることにした。夜中の0時には、あんまりリアルタイム性のないような内省的な話をアップするとして、後もう一本出すかは、その時の気分で決めてすぐに公開するつもり。
なんとなく人々の移り気は速くなってる気がしてて、トレンドなことを話しても一週間後じゃ、何それ古い、って感じなのよね。
リアルタイムに・・って何を話すかというと、今人々で流行っている話題でもいいけど、後は私がXでポストしたことの補強というのをやろうと思ってる。
例えば今日の話。
日本の普通の給料で、内製のテックリードなんて成り立つ訳ないと思ってる。そんな優秀なら各社を渡り歩いた方が効率いいし稼げる。だから、強烈な報酬を与えないと、すぐ逃げる。逃げると途端に内製終わる。
— orangeitems (@orangeitems_) December 4, 2023
そんな会社、日本にたくさん。
結構この世界にいると、優秀なプロジェクトマネージャーはよく会える。プロジェクトをWBSにしてタスク化して進捗率を確認するとか。個々の技術要素で課題がないかを課題管理票にまとめて細かくフォローするとか。プロジェクトを達成することについて、この業界はかなり手痛い経験を何度もしているので、プロジェクトマネジメントの汎用化は悲願だった。思ったとおり行かなくて赤字案件になるとか、そもそも出来上がらなかったり、出来上がったものが顧客の欲しかったものと全然違ったりとか、裁判沙汰まで含めて経験し、何とかせな、ということでプロジェクトマネジメントの技術が急速に向上していったのが2010年ごろだね。
で、プロジェクトさえあれば完結できることがわかったんだけど、肝心のプロジェクトがないといくら稼働人員がいても儲からない。だから2010年代後半ごろからSIer各社が共創って言い始めた。何かデジタルでやりましょうよ、お客様側にアイデアはあるはずなんですよ。手伝いますよ、って、美容室みたいなカジュアルな建物や会議室を作って、顧客のニーズを引き出そうとした。
それと、世の中のデジタル化、いわゆるDXが、経営層の間で必要性が浸透しそこにコンサルが入っていった。もっとデジタルをこうすれば経営成績も上がりますよね旦那。それでまあ業界はかなり盛り上がったわけだ。コロナ禍で各社、デジタル化に対するモチベーションも上がったから、ここしばらくは良かったね。
でもさ。
会社の今後を決めるような技術基盤をリードするってさ、プロジェクトマネジメントとはまた異質よね。プロジェクトをいかに成功させるか以前に、どんな要素技術でどんな経営課題を解決させるか、もしくは創造するかみたいなストーリーを、再現性のある形で生み出せる人材って、めちゃくちゃ価値が高いはず。だって、プロジェクトを完結させるための技術は学べば、学習能力があることを前提に、誰でも実行できる。でも、テックリードって、単純に要素技術だけじゃなくて、ビジネス課題も、顧客の気持ちも、理解してるスティーブ・ジョブズみたいな状態よね。
それを、普通の正社員みたいな給与で雇おうとするもんだから、まあ仮にそういう天才が引っかかったとしても一通り実現したら他所に行っちゃうのは当然じゃない?。だって、引く手あまたでしょ。DXするのはわかるけど、どうやってやんの?に対しての答えを持っている人は、そりゃ、コンサルとかになって各社飛び回っていたほうが効率がいい。
それを、どこやらのSIerから引き抜いて、基本的な待遇で、はいあなたテックリードね、としたとして、機能するもんだろうか。しないね。
で、気を良くした社長が、我が社にはテックリードがいるからもう内製だこれからは、なんて言って、それで完全依存した後に、「私別のところで働きます」とはしご外され、残ったシステムはどこかのベンダー探して、次はリプレースせざるをえなくなるというね。
もしくは、テックリードだと思ったら単なるプロジェクトマネージャー上がりで、ベンダー探して委託して、プロジェクトコントロールするだけ、みたいになる。どちらかというとこちらのパターンのほうが多いんじゃないかな。テックリードとは名ばかりで、技術選定してベンダーとよろしくしているパターン。
ま、そういうことで、もし企業がコアメンバーとしてテックリードをアサインし、彼にデジタル経営をリードしてもらいたい、ってならかなりの待遇を用意しないと、まあ根付かない。根付かないのに内製とか夢物語で、そもそもの考え方がおかしいよね、と思うポストを説明してみました。