orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

むやみに全員へ依頼をする人を見たら要注意

 

全社員へ:

この書類に記載をし、上司に確認を受けた上で、返信すること

 

この依頼をする担当者は1行で済む。

しかし、メールなどで、この依頼は全社員に増幅する。

上司は、部下の数だけ確認をしなければいけない。

そして、その返信を全部、担当者は受領し内容を確認しなければいけない。

 

「この書類」というのも問題をはらんでいる。社員が書きやすい内容か。量は適切か。ポイントは絞っているか。なぜこの情報が必要かという目的が伝わるか。何かが欠けていると、とてつもない無駄な情報が詰まった書類が、担当者に届くことになる。また、上司も、これが何のために必要かわからないと、確認が機能しないかもしれない。無駄な時間だけ取られる。

このように依頼の品質が悪いと会社全体の効率が落ちる。依頼そのものの内容は軽いが、全社員が対象、のようになると、掛け算で仕事量が膨らむ。もしくは上司や同僚も絡んで累乗にもなる。

仕事において、誰かに何も依頼しないで進むことは稀で、誰かとコラボレーションして働くのが常だ。そのときに、その依頼、出す前に少し見つめて欲しい。

 

・依頼を送る人数

・一人当たりの仕事量

・依頼内容の品質

 

単純にはこの3つの要素の掛け算となる。その積が、実は大きい数字なのに「自分は誰かに短い依頼をするだけ」しか見えてないと大変危険である。

 

仕事全体を理解して、一つ一つの仕事をしないと危険だ、と言う理由がここにある。結構な現場で、仕事全体ではなく、一部を担当しているという方も多いだろう。その中で上記の数字をいたずらに増幅させているとしたら問題だ。

だからいわゆる「お役所仕事」が全体の効率を下げる表現となる。自分の領域しか見えておらず、決められたことを決められたままにしかやらず柔軟性に欠く。それがどういうことかを理解していないので、誤解されやすいが、誤解する方が悪いと思っている、という仕事。

こういうときに経営者は「経営者の視点を持って」と言う言葉を使いがちだが、経営者ほどお金もらっていないと労働者にはアレルギー反応をされる。いや、そういうことではなく、仕事が発生し、実施して完了するまで、たくさんの人々と作業が連続する。その全体をできるだけ把握すれば、無駄な仕事を発生させず、それぞれの社員や関係者が効率的に動けるよね、ということを言いたいだけなのがほとんどである。

 

非効率な現場において思うのが、仕事に対するモチベーションが低い人が仕事を増幅させがちに思う。これは「他人のことなどどうでもよい」という動機こそが、他人の仕事量を増やすことに鈍感にさせるということなのかもしれないと考える。

ただ、会社内部でこの辺りの仕事の棚卸や、増幅させている犯人探しをすると、揉めるので外部コンサルが入って、仕事を分解し出すのだろうが。それにしても、私は非効率の源を探しては、コンピューターを使って自動化しようとするのが本能のようなものだった。その度に、それを喜ばない人もいるということも身を持って知っている。

そう考えると改革者は、モチベーションの低い人から「自分の領域を犯してきて、自分の居心地をより悪くしようとしている人」というマイナスの扱いを受けがちなのも理解できる。まれに戦いのようなことが起こることもある。相手はモチベーションが低いから、厄介だ。

世の中に、まだどれぐらいの非効率な現場があるのかは想像もつかないが、何しろ非効率ですら、数字で表現できる。あまりにも無邪気に、全員に物事を依頼する人を見たら、注意・警戒であるし、巻き込まれたら自分の時間が削られて不快でもあるし、組織の改善ポイントそのものであることが多い。