orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

ものごとを続けることができる才能を持つ人の特徴

 

いろんな人の所作を観察してきたけれど、基本的には、続けられた人が最も強い。時間をかけた分どんどん良くなっていく。ただし、一直線に良くなっていく人は稀で、むしろ悪くなっているんじゃないかと自分を疑うシーンは必ずある。そこで、結構な人は辞めて行ってしまう。いろんな人が通り過ぎて、そしてそこに残っている人、立っている人が場を制圧してしまう現象を何度か見た。残った人は誰かと明示的に戦って、勝ち負けをつけたわけじゃない。相手がいなくなってしまうのだ。残った本人は、誰かに勝った感覚も無く、ただただ研鑽を積み、目の前の機会を大事にしていっただけだ。

学校教育で、試験や部活動で争わせたり、コンペが大事とされているような経験を経ると、どうしても他人との直接の戦いによる勝利が、自分に良い結果をもたらすと発想してしまう。でも、特に社会人になって以降、試験で優劣を決めるみたいなことはあまりなく、いつのまにか自分の評価が決まっている。むしろ試験があったほうがわかりやすいと思う人も多いのではないか。また、仕事をする機会があれば、同僚に勝ってやろうというメンタリティーも十分あり得ると思う。ところが、この勝ち負け思想でビジネスをやるとたいていはうまく行かない。

勝者と敗者を分けるようなアプローチでものごとに取り組み、そして例えば自分が勝者、誰かが敗者となった場合、敗者は気分を害し最悪は会社を去ってしまう。そうやって出世競争みたいなイメージで誰かと対していると、どんどん自分の周りから人がいなくなっていく。周りに人がいない人は、結果的に勝ち残って仕事ができたとしても、大きなことができない。味方がいないからだ。

また、勝ち負けの世界にいると、ほとんどの人が負けを経験する。負けた時に、ああもうこの世界は無理だ、と心が折れてしまうことも起こりえる。負けが続くと特にそうだ。勝てる世界が外にあるのでは、と思って外の世界を探しに行ってしまう。

一方で、自分が関わった人達に、自分を関わって良かったと思ってもらうようにがんばろう、と勝負ではないことを貫く人がいる。仕事に対して誰の手柄かにこだわらない。結果が良くて関係者が満足すれば良しとする。どれだけ自分が良い結果に寄与できたかを自分で尺度を持ち反省し、改善し、次こそはと努力する。

当初、同僚内で競争しているときは目立たないのだけど、その中でだんだん勝敗がついてきて負け組が去りだし、そして勝ってた人もどこかで負けて去ることになり、いろいろ人が循環し出した結果、古株になっていたその、コツコツやっていた人が脚光を浴びだす。彼には彼女には、支持する人、感謝する人もいて、たくさんの人が仕事ぶりを認めている。それでは、リーダーを、マネージャーをやってもらったらいいじゃないか、という流れになる。

上を目指すために、始めから連戦連勝である必要もなく、ただただ関係者の勝利を願って、そして自分の実力向上を考え働く。勝ち負けしていった人たちが去った後に、残ったその人が実は一番経験も実力もあり、そして信頼を得ている。そういう現象が世の中にはよくあるように思う。

学校教育の問題もあると思うが、実際の社会がそのようには動いていないのが皮肉なものである。