orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

経営者目線を持て、ってどういうこと?

 

よく、働いていると言われませんか?。経営者目線を持て、と。

いや、労働者なんで必要ないです、と言いたいところですが、どうしても出世するためには必要な概念ではあります。経営をさっぱり理解しない人を幹部にするのは、経営者の立場から考えると道理に合わないですよね。

とは言え、念仏のように経営者目線と言われてもピンとこないのは当たり前です。経営したことがないんですし、この先もほとんどの人がないでしょう。

より具体的に、この言葉をかみ砕いて見ます。

 

会社にお金持ってこい、しかも継続的に

経営者は、年間計画の達成と、中長期的な成長の両方を、株主に求められています。

全ての単位はお金です。したがって、お金を稼げる事業が命綱のようなものです。

お客様が満足するために、どんなにお金をかけてでも良い物を、と考える人がいたらこれは経営者目線ではありません。最終的に利益が出ないのであれば、それはやらなくてもいいこと、いや、やるべきではないことです。事業立ち上げ当初の投資段階では採算が合わなくても、3年後には収支トントンあるいは利益が出るまで持っていける、などの目論見が必要です。

労働者は必ず何らかの事業の一部の責任を負うのですから、その事業がお金を生むのかを気にすると同時に、無駄なお金を使わない意識が必要になろうと思います。一方で、有効なお金を使う意識も必要です。全くお金を使わないと単年で見ると黒字化の要因にはなりますが、一方で必要な品質を下げたり、商品やサービスを宣伝するべきタイミングを失ったりもします。

会社にお金を献上することが事業の目的であることとしっかり向かい合う必要がありますね。

 

経営者に現場の仕事を考えさせるな

経営者は全ての事業について責任を持ちますから、現場のことに深入りし過ぎると、判断する回数がどんどん増えていきます。どこかで事業ごとに信頼できるマネージャーを置き、ある程度は経営者のビジョンの元に独自で判断させないと、絶対にまわりません。

マネージャーからどの程度の報告を吸い上げるかは経営者の力量が問われますが、それは経営者の判断にするとして、マネージャーレベルで言えば経営者をできるだけ楽させないといけない。そうしないとマネージャーがいる意味がない、とまで思う必要があります。

究極的には、事業部門は「経営者が何も口を出さずとも」会社にお金を安定的に献上し、計画は年々達成し、たまに雑談するぐらいの関係でありたいと経営者は思っているに違いありません。

問題を起こして経営者が謝罪しなければいけないとか、人間関係のトラブルが起こって手を入れないといけないとかは、この逆で、いくら儲かっていても最悪の部類となります。

 

端的に、そして数字と時系列で説明しろ

現場が長々としたロジックを展開しても、経営者は読む暇がありません。

説明するなら3行で。

そして、言葉だけではなく、数字で示すことが必要です。数字でウソをつくのは至難の業ですし、経営者は数字にかなり敏感です。そして、施策の実施を時系列で示し、効果について予測したり、結果を評価します。

だから、パワーポイントのスライドが流行するんです。文字は大きく、センテンスは端的に。そしてグラフを多用して数字と時系列で説明する。

理屈をこねくり回している割には、数字が追い付いていない。未来の数字が意気揚々なれど、端的に説明できなくて実効性がない。

こういう世界だと、説明に時間を取っても聴いてくれるどころか、このマネージャーは能力不足だと決めつけられたりします。

クリエイティブな人より、理解上手・説明上手な人の方が出世はしやすいのは事実だと思います。ただ、その上でクリエイティブな人は一番強いです。この人は、革新的なことを言う割には、説明がクリアでわかりやすく、やってくれそうだ。こういう雰囲気に、経営者は弱いと思います。たまに、口上手なだけの人がいたりもします。

 

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「経営者目線を持て」を言語化してみました。

案外、シンプルな話なんですが、経営者も労働者に要求するなら、どうやったら持てるかを言語化し、浸透させる必要があります。はじめは誰でもできませんよ、やらせてみて試行錯誤して、初めて人間身に付くものですから。