orangeitems’s diary

クラウド専任の40代インフラエンジニアが書くブログ。新規事業マネージャー。20世紀末の就職氷河期スタート時にIT業界に文系未経験で入りこみそのまま生き残った人。1日2記事投稿しています(0:00、12:00)。

会社からたくさんの人が去った後に、伸びる会社/縮む会社

 

あの飛ぶ鳥を落とす勢いだったSalesForce社が、今、成長の踊り場に来ているらしい。

 

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SaaSの代表的プレーヤーであるSalesforceで異変が起きている。共同CEOとしてMarc Benioff氏と同社を率いてきたBret Taylor氏が辞任を発表したかと思えば、その数日後には傘下のSlack CEOを含む複数の幹部も去ることがわかった。同社は第2四半期に初めて売上高でSAPを抜いたところで、そと目には問題なさそうだ。Salesforceに何があったのだろう。

 

SalesForceのような大企業ではないけれど、私も似たような状況の会社にいたことがある。目の前でどんどん重要そうな人が退職していく。たいてい、会社の経営がうまくいっていないことが原因となる。うまくいっていない、という表現は会社によって意味が異なる。予定外の営業赤字が継続するような致命的な場合もあれば、成長が求められているのに成長しないというレベルの高い場合もある。何しろ計画していることがそのとおり行かないときに、誰が悪いだのこれが問題だのの議論が飛び交っている中で、人間関係が悪化することがベースとなることが多い。

「なぜ、あの人にあんなことを言われないといけないのだろう」

私のケースでは、不平不満のほとんどのケースがこれだった。皆がベストを尽くしているはずなのに結果が出ないとき、どこかに責任を求めなければいけない。そして、皆が自分の責任ではないと言い出すときに、闘いが始まる。ストレートに防御する人もいれば、裏でたくさんの人に根回しをし、いろいろとお膳立てをしてから、最後にターゲットを仕留める人もいる。

だいたいの企業ドラマの設定を見てもらえばわかる。大抵が会社の経営がうまく言っていないときだ。大変なエネルギーが生まれて、人と人との愛憎劇が展開されるが、基本的に経営の生産性に対しては「無駄」となる。理想論から言えば、みんなが手を取り合って協力しあって、全員がプラスに向かって走るべきだ。

この、政治的な勝ち負けの結果起こることは、負けた人が会社を去ることになる。去る人はたいてい思う。この会社は自分がいなくなることで、自分が担当している部分がブラックボックスになり、そのため色々と支障が出てアップデートできず、沈んでいくだろう、と。

私は、そこまでは見た。しかし、その後会社は復活したのである。

復活した要因は何かと考えた。

・自分じゃなきゃこの仕事はできない、と言う我の強い人がいなくなった。別の人がアサインされたら普通に引き継げた

・もはや人間関係が悪化していて、普通の議論ができなくなっていた。片方が去ったことで議論が開始できるようになった

・抗争中にあんまりにもひどい景色を残っている人が見たので、みんな反省して大人になった

つまり、責任を取るべき人が責任を取らされそうになったときに、狂ったように感情的になり逆に、責任を追求した方を叩き落とそうとするエネルギーこそが、会社の経営を傾かせるということが言えると思う。

その結果、残るべき人が残らないと経営はますます傾く。もしくは、上層部のこういった抗争に嫌気が指し、現場の末端から人が抜けていくことを放置するケース。これは現業自体が先に進まなくなる。この2パターンが最悪のケースとなる。

V字回復できる場合は、経営者が折れずに責任を取るべき人を追い出し、その後残った人が一丸となって業績向上に向けて力を合わせられる場合に限る。その時の工夫として、人間関係の悪い同士は業務を切り分けてコミュニケーションを取らせないようにするのもひと工夫である。みんなで同じ荷物を持っているわけではなく、分担すればいいことは会社では多いので、会社全員が仲良くする必要は実はない。だから、混乱期の会社では、頻繁に組織図が変わる。それは必要なことなのだとわかった。

だから、不協和音が起こっただけでは、その後の会社の進路は読めない。もちろんリスクは高まっているが、一方でその後の成長を手に入れることもある。「私にしかできない仕事」なんて実はそんなにないわけである。それより、会社の業績より自分の座るイスのことを非常に気にする要職が増えたときのほうが、大抵会社を蝕む原因が生まれていると理解したほうが良い。