orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

中小型株のMBOが理に適う時代が来ていること

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東芝の下記の記事、とても気になることが書いてありました。

 

www.nikkei.com

東芝が上場維持のジレンマに陥っている。綱川智社長兼最高経営責任者(CEO)が上場を続けることに前向きな発言をしたことで、ファンドによる買収を期待する短期筋の売りを浴びた。一方、市場では中小型株を中心にMBO(経営陣の参加する買収)による上場廃止が急増している。来春に東証の市場再編を控えていることもあり、上場の是非を問い直す動きが市場に広がっている。

 

株式市場を眺めていると、大型株は堅調なのに中小型株は短期的に値動きが荒く、最近は中長期的な投資でお金を使い単年度で赤字計画となろうものなら、ものすごい勢いで売りたたかれる場面を目にしています。

上場企業は前年度比での比較ばかりが根拠にされ、より成長をドリブンするお金の使い方をしようとすると、これは利益率が低い、PER(株価収益率)が高い、とのことですぐに売り込まれる。これでは成長しようにも成長できず、縮小均衡に陥り会社施策が非常に保守的になってしまう。

最近の値動きは、特に中小型株を中心に、とても短絡的な見方で下げていく銘柄が多く、これでは上場メリット全然ないな、と思っていました。

 

MBOというのは、上場したけれども投資家の評価が経営の意思にそぐわず株価が振るわないので、株を買い戻し非公開とすることです。

今年に入って11件ものMBOが実施されているとのことです。

 

maonline.jp

2021年の上場企業によるMBO(経営陣による買収)が11件となり、半年足らずで前年の件数に並んだ。このままのペースでいけば、年間件数は2011年以来10年ぶりに20件を超える勢いだ。ただ、投資ファンドが介在するケースは前年5件だったのに対し、今年は現時点で3件にとどまり、その分、比較的小型のMBO案件が目立つ。

(中略)

株式市場からの「退出」を意味するMBOを決断する理由は何か。短期的な業績変動や株価動向、株主の要求などにとらわれず、中長期的な視点から経営課題に対処するためには非公開化が望ましいとの判断だ。さらに金融緩和も追い風となっている。

(中略)

上場企業をめぐっては2022年4月に東京証券取引所の市場再編を控え、流通株式時価総額や株主数の基準が厳しくなる。中堅クラスの企業にとっては上場維持のためのハードルが高まる一方、物言う株主の台頭などにより、上場メリットが薄らいでいる状況があり、7月以降の後半戦にMBOがさらに増勢をたどる可能性がある。

 

上場を継続するコストは年間1億円以上とも言われます。

それなのに、上場し続ける条件は厳しくなるわ、現在の経営陣とさっぱりコミュニケーションを取らずに極端な施策を押し付けてくる株主の登場、また、テクニカルに買いたたき株価を下げてくる投資家の存在など、経営陣からすると全然メリットがないじゃないか。

そのとき、中小型株であればMBOする株式の総額もまだ小さいので、資金さえ融通すれば実行しやすいのは当然です。

ここ最近、中小型株にあらぬ逆風が吹いていて、本当にマザーズやJASDAQに並んでいる成長企業を育てようとする投資家はいるのかなと、株式市場そのものに疑問符を持っていた矢先のこのニュースでした。

新興企業を育てないと日本全体の活気が失われるという意見は古くからあるのですが、結局は目先の値動きだけに終始し、単年の数字を追い、投資による赤字をマイナス材料としか見ない株式市場に上場維持するくらいなら、経営はMBOを検討すべきと考えます。銀行や投資ファンドもこの点において、特に日本は優良なMBO案件獲得のチャンスが来ていると思います。これだけ連発するのも大いに頷けます。