私は、端的に言えば唯我独尊、自分のやり方を貫いて結果を出すタイプだった。しかし、最近はそれだと自分抜きでも回る組織を作ることが難しいことに気が付き、やり方を改めている。特に、以下の2点を気を付けている。
①いろんな人の話を聴くこと。
②任せることは完全に任せること。
シンプルだけど私には難しい。
①いろんな人の話を聴くこと。
自分が正しいと強く思っている人は、他人の話に耳を傾けない傾向がある。しかし、人の話を聴かない人、ってみなされたときにはたいてい、人は離れていく。人が離れていきがちな人は、開き直って自分で全部やろうとしてしまうので、孤高の人になってしまう可能性が高い。
この前、ポニーの牧場の動画を見た時に思ったんだけど。
そう、この動画。ポニーにも性格がある。なぜか慕われるポニーがいるらしい。怒らない、気にしない。ガツガツしない。そういうポニーには、他のポニーが近づいてくるらしい。いわゆる「もてる」と。
もてるポニーってのがいるんだ。へ~、と思った。
これって人間でも同じじゃないのかな。攻撃的な人には近づきにくいもんね。腕力的な強さではなく、精神的な強さ。ポニーでもわかるんだなというより、動物だからこそわかりやすく行動に反映されるんだろうなと思う。
②任せることは完全に任せること。
ここ最近は大成功しているので、もう間違いないと思っているのが、脱マイクロマネジメント。事細かに組織を管理せず、担当者に範囲を明確にしたうえで任せきること。自分の責任なんだ、自分の範囲なんだって理解した後の人間って、勝手に伸びるね。
前は言ったことをやってくれる、という印象だったのに、今ではいろいろと担当範囲について創意工夫して、オリジナルな仕事の進め方をしているようだ。結果を出してくれる限りは任せるし、結果がおかしい点があれば指摘した上で、改善を申しいれている。それは指導ではなく、単に調整ごとである。担当範囲のイニシアティブは預けたまま、事実だけを、相手の尊厳を傷つけないように話をしている。
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この2つの心がけを実施し続けて、そしていいことだらけではある。間違いなくいろんな人が私を助けてくれるようになったし、部下は自立し始め、自分で育ち始めた。
ただ、結構人の話をよく聴くと、いろんな選択肢を知るようになり、自分の信念が揺らいでくることがある。いわゆる自信がなくなってくる。
あ、そうか、と。やけに、人に対して自分が自信を持つ傾向があったのは、人の意見を聴かず、自分で全てを取り仕切ろうとしていたから、つまり独善的だったからか。
原因さえわかれば、対処はしやすい。もともと自信があったと思っていた状態の方がむしろ揺らぎやすかった事実。そんな自信は当初から捨ててしまって、たくさんの意見を聴くだけ聴く。自分の意見を含めて横に並べて、後は自信がないながらも自分で選んでいけばいいんだな、と。
あの、自分の意見が一番だと思う態度そのものが、弱い自信を隠すための鎧だったんだなと気づかされた。本当に自信があるならどんな意見を聴いても揺らがないはずだから。
だから、いろんな意見を聴いてなくなるような自信なら、初めから自信など成立しておらず、耳を塞ぐことで身を守ろうとしてただけだな、と気づく。
自信が揺らぎながらも、先に進めていこう、と思う。結果がついてきてるんだから、それでいいはずだ。