orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

DXという乗り遅れちゃいけない船は、ドル建てだった件

 

1ドル116円の時に書いた記事です。まだ今年の話なんですけどね。

 

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とある見積を作っていて、クラウドAとクラウドBとクラウドCを比べているお客様です。クラウドAが高いだのBやCが安いだの今言ってますが、結局円建てにするとみんな似たような価格になるはずです。クラウドと言えば大抵外資ですから、ドル建てで円換算です。

で、きっとお客さんこう思うはずです。ああクラウドって高いんだな、と。それならオンプレのままで行くか。そしたら、新しいサーバーの見積を取るときっと、目が飛び出すくらいの高い値段の見積を受け取るでしょう。そう、変わんないのよ。

だからと言って、もうサーバーを失くすってことはできません。今もまだDX(デジタルトランスフォーメーション)って言葉は健在です。紙と電話とFAXに業務を戻すわけにもいかない。AIやデータサイエンスもビジネスに取り入れないと時代に乗り遅れる。その乗り遅れる時代が、ドル建てで出来てるなんて今気づいた人も多いんじゃないでしょうか。

もう船にはどんどん乗り込んでしまっているし、今さら引き返せないのですが、きっとそれならそれで考えなければいけないことがあります。コンピューターの利用効率を上げないと多分に原価が高すぎます。これまでCPUやメモリー、ストレージを潤沢に使ってサービスレベルを維持していた方法がきっと使えなくなります。これはインフラエンジニアにとっては新時代の幕開けと言えます。

サーバーを機能別に2台で分けた設計にしたいところを、1台にまとめなきゃいけない。CPUコアやメモリー、ストレージをカツカツにしなきゃいけない。バックアップ世代数も減らさなければいけない。コンテナが便利とは言われますが本当に安くなるのかも再計算しなきゃいけない。PaaSも然り。

新しい技術にフォーカスすることより、古い技術を再度見直し、安くて走る構成を再検討しなければいけないということになります。

いろんな現場で、普通に刷新すればよかったことが、次の入れ替え時期にはコスト圧縮が必達になるでしょう。ま、これはもう腹は決まりました。望むところです。むしろ新技術がキーにならない分、ベテランの腕が活きるところです。2000年~2010年くらいまでは、コンピューターの性能が今よりかなり低かったので、似たような視点は必要だったのです。サイジングをしくじると動かない、ということが昔は日常茶飯事でした。

今ではクラウドで、性能が必要な時にだけ上げられるとは言いますが、その分課金がされます。だから、上げないで済む方法を、アプリケーション開発者と一緒に考えなければいけない時代です。

さあ、日本人の知恵を使って、ダウンサイジングしましょうね。やれば、できる。