orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

1ドル120円台の新感覚クラウド事情

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ついに1ドルが120円を突破してしまった。

二ヶ月前にこんな記事を書いたんだった。

 

www.orangeitems.com

とりあえずは今日明日は、これ以上の為替変動が起きないことを祈るのみです。

 

起きちゃった。上記記事を書いたのが今年の1月だが、そこから今まで時代は急展開し、戦争まで起こってしまっている。

円安が起こったら嫌だな、という想像だったがもはや円安だ。

利用料の請求は翌月なので4月頭に、円安によりいろんなクラウドの請求が値上がりして、各社頭が痛いだろう。

請求する方は価格を値上げすればいいだけだが、請求される方は大変だ。年度予算でいえば4月から新しい予算と考えると、早い段階で対策を打たなければいけない。

で、どうする?と言ったときにやっぱりサーバーリソースはどうしても減らさなければいけない。余裕のあるリソースで動いているシステムは、刈り取られる運命にある。

 

CPU

CPUの仮想コア数はどうしても削減対象になる。

監視統計を見ながらCPU使用率が低いサーバーにおいては、下げろ下げろという圧力が強くなる。

背に腹は変えられんととりあえず下げてみれば、来月から請求額は減る。

なお、危険なのは必要なコア数よりも下げてしまうこと。そうするとCPU使用率は高くなるだけではなく、100%に張り付いてしまう。そうすると他のジョブは待ちになるので遅くなるのではなく、動かなくなってしまう。

夜間バッチを行うサーバーが特に危険で、昼間は暇そうだし、夜間もバッチが動いているときだけCPUを使っているように見えるので大丈夫だろう、バッチが遅くなっても、と思いきやバッチがフリーズしていて朝に復旧に大わらわ、なんてことがある。

瞬間風速的な負荷のあるシステムでこの手のトラブルが起こりがちなので気をつけたい。

 

メモリー

メモリーはあまりごまかしがきかない箇所である。

最近のミドルウェアは、起動時にがっつりメモリー領域を確保してしまうものが多く、実際の使用率が70%あります、と言っても確保しているだけということもよくある。メモリーを減らして起動しても案外動き、単に確保する領域を動的に計算している賢い動きをする。また、キャッシュにも使われていて、余るなら余るで有効活用しようみたいなOSの機能もあり、案外メモリーの適切量はある程度の経験がないと見積もりにくい。

メモリーが足りないと、すぐOSは動かなくなる。そのためのスワップメモリーだが、スワップを使った時点でパフォーマンスに影響が出る。最近はSSDなど速いストレージがいてなんとなく動いてくれるのだけど、やっぱり物理メモリーの中で動いてくれるのがありがたい。

ちゃんと動いているものに対し、メモリー減らす決断はなかなか肝を冷やす。

 

ストレージ

基本的にはストレージは、増やす一辺倒のもので減らすことはできない。

減らすためには、小さいストレージを契約し、必要なデータを移し替えないといけない。

作業込みで考えると非常に手間がかかる。だから、色んな人にストレージは減らせませんよとよく言っている。

クラウドファーストの時代だと、データは消さず蓄積し貯めて有効活用しようと皆言う。随分ストレージの価格もお安くなったので今ならではのデータ活用を。ビッグデータ、データアナリスト、これらの概念はストレージが支えている。

ただ、増え続けるストレージエリアは結果として費用に返ってくる。

「見直しなさい」

から始まる大プロジェクト。片付けるというのは非常に手間もかかるし、データ自体は安全を確保しなければいけず損傷させたら命も取られるぐらい危険だし。

「見直したくない」

と断言したくなるのがこの領域。

 

サーバー台数

一時期は動的にスケールアウトしたりスケールインしたりする作戦は流行したけど、運用上の手間を考えると、そこそこに余裕のあるスペックと台数を確保することに落ち着いている。B2C向けのサーバーを除いては、そこまで負荷が急激に高まるシステムは存在しないだろう。安定運用のほうが結局手間もお金もかからないので、あまり変更しないシステムを皆望む。

だからこそ「サーバー台数を減らしてくれ」はなかなかこたえる。増やしてくれならいい。クローンを作ってコピーするのに大した手間はかからない。減らすとなると全体のシステム構成の見直しは必須だ。

減らすけど、システム構成変更の工数のぶんお金が一時的にかかりますが、どうします?、と聞くと、「そんな、料金減らしたいのにお金請求するんですか?保守お願いしているんだからお願いしますよ」って声が聞こえたり。

落ち着いたらまた増やすとして、増やすにもお金かかるんですよ・・。

 

SaaS

海外のSaaSをお使いなら、即反映。

多分にプランの見直しやら、ユーザー数の削減やら始まる。

日本のSaaSは、原価が高くなるから、使用料金が高くなるかもね。

SaaSこそ、社内で無駄が放置されがちなので、利用状況を調査せよ!、みたいなお達しが出て、万が一利用状況が芳しくない場合は、廃止!みたいな声が出てくるのかもしれない。

 

まとめ

円安になったら怖いなって言っていたら、円安になっちゃった。

同業者の方、覚悟しましょうね。円安対応、来ますよ。