orangeitems’s diary

クラウド専任の40代インフラエンジニアが書くブログ。新規事業マネージャー。20世紀末の就職氷河期スタート時にIT業界に文系未経験で入りこみそのまま生き残った人。

円安が怖いIT業界

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私が社会人になってからの25年間。基本的に為替は「円高傾向」だったために、あんまりIT業界の人たちは「円安」で困ったことはないと思うんですよ。

 

 

まあ1994年から前に何があったかは子供だったのでわかりませんが、そこからは常に円高の話題は付きませんでした。円高不況と言われ続けましたがいつの間にか誰も、為替のことを話題にしなくなったのは、かなりの時間が経ちこの110円/ドルあたりのレートが日常になったからですね。

一方で2010年あたりはかなり円高が進み、80円を割る場面もありました。このころ、私は物理サーバーをたくさん仕事で買ったことがありました。面白かったですよ。定価が全く関係なくて、5割引7割引、という世界でした。仕入れはドルですから、円高がかなり進むと円建てではかなり金額が下がっちゃうんですね。

例えば今のレートだと1160万円する機械が、800万です。含みが360万もあると、営業も値下げ余力がかなりある。「安くしますんで買ってください!」ってのに乗っかると、ほんとに、声が出るほど安くなりました。

その後そんな時代は長いこと続かず、2015年あたりには120円を突破した時代があったのですが、その頃はこれ以上円安になると、クラウドで商売しているけれど、そのクラウドの値段が上がっちゃうなとドキドキしたことがありました。結局は110円の方向に押し戻されとりあえず悩みとしては解消しました。

結局は、IT業界やデジタルを支えるハードウェア自体、CPUだのメモリーだのストレージだの、すべての部品が海外から輸入したものです。政府、特にデジタル庁が推しているAWSなどのメガクラウドも、従量分をドルで決済します。何しろすべて為替の影響を受けますから、IT業界の「仕入」は為替の影響を直撃することをおぼえておきましょう。

最近はデジタル利用を進めることを政策にまで書かれるので、デジタル利用は拡大方向です。ところがこのデジタル利用自体が円安によって見逃せない費用となり各企業にのしかかってくるのです。月の請求書を見てびっくりするのです。

これは採算が合わない。無駄なサーバーを探せ。削除しろ。CPU、は4コアも不要だろう。メモリーも詰みすぎだろう。そもそもサーバーを分割せずに1つにまとめれば安くなるだろう。冗長化しすぎじゃないか。この業務では止まってもいい。片系にすれば金額は半分だろう。

データベースを要件ごとに分けているが、1つのデータベースにまとめたらどうか。ソフトウェアの保守費用を削減しろ。

それでもリソースを削減できないのなら、保守人員への費用を減らすしかない。業務も減らしていいから人も減らしてくれ。

そう、こんな議論が平気で待っているのです。私の記憶をたどればリーマンショックのときにこの状況がありました。人を減らしてくれ、に対して私自身を現場から退場させるジャッジを、自分でやったのを懐かしくおぼえています。

デジタル化が進む中で、デジタル自体にかかる費用が高くなればそれを扱う人の人件費を抑制せざるを得なくなる。デジタルだけが残り人がいなくなる。これはメンテナンスが必要なデジタルの本質からは矛盾しますが、ないものは支払えないのスタンスです。例えば構成変更や新規案件を凍結し、状況の変化を待つということも起こりえます。

これ以上は円安が進行するのは怖いのですが、そうならないためには、日本も金利を上げたり物価が上がっていることを許容しなければいけません。ドルがそうなっているので、円も同じように対応していく。給料も上がり物価も上がる。

とりあえずは今日明日は、これ以上の為替変動が起きないことを祈るのみです。