orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

ミドル・シニア世代が持つ人事異動リスクを前向きになんて考えられない

 

大企業、なんとなく私は縁が無くここまで来てしまったけれど、この記事を読むとなんとなく私が大企業に恐れを抱いていた部分が赤裸々に表現されているなと思った次第。

 

www.nikkei.com

会社人生の中盤にさしかかると、予期せぬ異動を告げられたり、転職すべきかどうかに直面したりするケースは少なくない。何のために働くのか――。思い悩んだ末に「第二の人生」の足がかりを得たミドル・シニア世代がいる。彼らの姿は、キャリアのスタートラインに立ったばかりの若い世代の、ひとつの羅針盤となる。

 

有料記事だが、日経のサイトは10記事まで無料で読めるので、ぜひ読んでいただきたいと思った記事だ。

大企業より、中小企業がいいなんて一言も言わない。大企業の方が待遇もいいし、やる仕事も大きい。平穏に定年まで働き続けられるならそりゃ大企業の方がいい。

しかし、一方で、転勤、異動、職務転換など、たくさんのトラップがあるのも大企業だ。そしてその出現が読めない。知らないところで思惑が発生し、そして自分の意思を確かめることなく大枠が決まっていく。そして執行されるときには、前向きに受け入れるか転職するか、それが大企業であると思う。大企業に勤めたことがないのになぜそう言えるかというと、お付き合いしてきた大企業の人々がまんべんなく巻き込まれているからである。しかもかなり職責の高い方ですら、生き残るのが難しい。もしくは高いほど難しいということを教えてくれる。

どんな組織でも基本はピラミッド型だ。上の職位に行くに従って人数は限られる。自分が上に登ったからといって安穏とはできない。特に大企業には優秀な人物がたくさんいるので競争が激しい。自分自身が過ちを犯すのはもちろん、著しく業績を上げた社員が現れたということでも自分の位置が脅かされる。また、役員の強い意向や資本関係の変化におけるパワーバランスの変化など、政治的な要因も発生する。なまじ人数が多いので、複雑なドラマの連続である。

自分の位置を守るべく、評価基準を把握し、アピールポイントを整理し、自分の仕事に対するアウトプットを明確化。誰がどんな側面から見ても評価できる。そんな努力を年齢が上がれば上がるほどしていかなければいけない。年齢が上がる=給与水準が上がる、ということなので評価する方もシビアになるからだ。基本、会社は社員が若いほうが好きだ。

これらは、大企業だけの話ではない。中小企業では、もっと権力闘争が目に見えて激しいこともある。それはそうなのだが中小企業の場合は上位にそこまで優秀な人がプールしていない。本当に優秀であればそこまで強い競争相手は登場しない。また、異動するような部署も少ないし、転勤も少ない。そんな状況なので、もし何かの事案に巻き込まれるとしても、直接的に揉めるので、大企業の例を考えると私はまだこちらのほうが安心する。裏で画策されるより、対応も素早くできるからだ。

それより、大企業ほど財務基盤が強くはないので、経営悪化に対する耐性が弱い。最悪は会社がなくなってしまうが、この確率が大企業よりも高い。だから、中小企業で快適に上位に登ったとしても油断はできない。上位で勤められたと安心していたら、会社がなくなる、なんてときに本当の実力を得ていないと他社で通用しない。

結局のところ、評価が上がり職位が高くなるのは、大企業でも中小企業でも大変は大変だ。自分の評価は間違いではないと絶えずアピールしなければいけないのは同じだ。そして「評価が高すぎた、下がってくれ」というリスクが表面化しないように、最大限手を動かし続けなければいけない。失敗など許されない。30代と40代の何が違うの、という質問に答えるときに私はよく「失敗ができないこと」と言う。失敗は、自分の評価を会社が下げるときの一番の武器となる。一つも隙を見せたらいけない。失敗ゼロでも、実績が上がらなければそれも危ない。

大企業と中小企業の違いは、このリスクがどのように扱われるかについて、環境やプロセスが全く違うこと。どちらがいいかについては、人の選択であるから、いいも悪いもない。

どちらにしても、その結果、何らかの理由で職位が下げられることが起こった場合に、自社にそれでも残るのか。それとも他社に移って今の評価を認めてもらうのか。もしくは事業を興し自分の好きなように生きるのか。選択しないといけないということだ。

もし、そこで他社に、自分の実力を認めてもらえない場合は、会社員としては袋小路になってしまう。そうならないように、日々、他社でも認めてもらえる能力を伸ばすことが大事だと思う。

今回の日経の記事、具体的に自分の立場と重ねそうなる前に何ができるか。前もって考える必要がある。全国民、これを受け入れろということなのだろうか。私は受け入れづらいので、ぜひ準備をしたい。その時が来たら、「そうですか、ほな、さいなら」と言いたい。