アビームコンサルティングが面白いことを提案しているので振り返ってみたいと思います。
アビームコンサルティングは10月14日、日本企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を阻む要因とその解決策について説明会を開催した。
(中略)
同社によると、日本企業の習慣病は21個に上るという(下図参照)。安部氏は「まずはこれらの習慣病を認識し、組織や考え方を変革していくことがDX成功の鍵」と語った。
進化しない業務
1 不明瞭な観点で何度も承認
ワークフローに何個も印鑑があって、全部スタンプラリーが終わらないと何も進まない、という件ですね。
普段の業務に組み込まれていると、一つの行動を起こすにしても、会社に持ち帰り調整を様々行わなければいけないので企業としての行動力がそがれると思われます。
一方で内部統制的に承認フローは必要なので、「明瞭な観点」こそ重要で、それに対してモバイルで承認フローが回るなど効率化は重要と思います。
2 おもてなし精神で過剰サービス
何を持って過剰と表現するかは非常に難しいと言えます。
制度設計こそ重要で、大元を辿れば営業段階、契約時に過剰サービスを誘発するような話し合いが行われていることが経験的に多いです。
現場は「そこまでやりたくない」と思うのですが、営業時に「何でもやります」的なトークをしてしまっているとそうなりがちです。
始めるときにはきちんとやるべきことを文書化し、それを逸脱しないというのが大事になるでしょうね。
3 些細なことまで完璧主義
これもバランスの問題。
些細じゃないことは完璧主義である必要があります。
物事に優先度や緊急度を付けられないマネージャーが陥りがちです。
一方で、何でも適当だと、すぐに問題だらけになります。
この辺りは経験が知恵となるために、簡単にマニュアル化できない部分と考えます。
4 やめられない紙文化
やめればいいだけです。簡単。
紙が必要な時って、「納品」、つまり何らかのサービスや商品を届けましたよ、ということを物理的に示したいときぐらい、でしょうか。
社内的なことは全部ペーパーレスで済ませることが可能だと思います。
5 長い・決まらない会議だらけ
会議が多いのは、プロジェクト参加人数が多いからだと思われます。
できるだけ人数を絞り、コミュニケーションが少なくていい場合は、Backlogなど課題管理ツールを使って、デジタル上で処理するのが良いと思います。
WEB会議だろうがリアル会議だろうが、リアルタイムで処理しなければいけない案件なんてほとんどないと思っていて、重要な決済だけでよいはずです。
会議が好きな人に限って、メール好きだったりします。メールはコミュニケーションツールとしてはもはや「レガシー」だと思います。メールに固執するから会議したくなるのです。もっといいツールがたくさんあるので、WEB会議に移行したからDXだとは思わないでいただきたいものです。
6 組織に合わせた縦割り業務
私が嫌いなヤツです。
私は組織が違えば、同じ社内とは言え別の会社だと思って仕事をしています。
全部自分の組織でやりきる。
結局「1 不明瞭な観点で何度も承認」とも関連してきますが、一つの行動をやりきるために組織をまたいだ複数のルートが存在すると、めんどくさくなるんですね。
だから、もう自分の組織のことしかやらないと決めた方が楽、それはウチは無理。
そうなったら、組織の小さいベンチャー企業や中小企業のほうが、かえって行動が速いです。
日本に中小企業がたくさんある理由の一つだと思います。一方で急成長が止まるのは、組織が膨らんだ時に統制が取れなくなることが主因です。
日本は組織わけすると縄張り意識が非常に強くなるので、それならば、縦で割るのではなく、全ての業務を完結できる小さなユニットをたくさん作り規模を増やすべきというのが私の持論です。
7 職位と業務内容のミスマッチ
調子の悪い会社ほど、毎月のように組織をいじってますね。
管理職がヒマなんですかね。経営ビジョンを頻繁に修正し、それに伴いピラミッド型の組織の組み換えを絶え間なくやっていく。
そんなことしている暇があったら、外回りしてお客様を見つけてきた方がよかろうに。
ということで、組織編成や職位というものは、シンプルであるべきだと思います。どこかで名刺をもらったときに、何とかディヴィジョンの何とかグループの何とかチームの何とかサブマネージャーとかなんとかで、おぼえらんねえやと思った記憶がありますが、肩書が長いということは、細分化され過ぎだということにほかならないのかな、と思います。
本件、21も項目があるため記事を3回に分けたいと思います(つづく)。
パート2はこちら。