IT業界の「技術がある/ない」論争は年中Twitterでくすぶり続けている。
・SIerは技術がある/ない
・Web系は技術がある/ない
・元請SEは技術がある/ない
・ユーザー側のSEは技術がある/ない
この、技術があるとかないとかって、何を言っているんだろうかといつも思う。技術って何?。
資格を取ることが技術という人はいるけれど、仕事で使わない資格をいくら取っても直接は役に立たない。資格は技術を伸ばすツールではあるけど、資格手当をもらうことと技術そのものが、完全にリンクしているところを見たことがない。
資格を取らなくても仕事ができる人はたくさんいるし、資格を取っても仕事ができない人もいる。
ある仕事において、資格を条件づけたとして、全然仕事が進まない場合は資格関係なく、できそうな人をアサインし、できちゃった、みたいなことも起こる。
資格の議論は技術の話とは切り離したい。
わかりにくいこの「技術」という概念に対し、「仕事」はわかりやすい。あいつは仕事ができる。もしくは、あいつは仕事がすごくできる。
仕事ができることについて、技術はあったほうがいい。しかし仕事をサポートする技術と言ったときには、かなりその内容が限定されるのではないか。いくつかの技術要素の組み合わせと、後はコミュニケーション能力や責任感、行動力みたいなものも強く関係してくる。技術の深さを求められることもあれば、広さも必要だったりするし、仕事によって全然違う。
また、「仕事ができる」と「仕事がすごくできる」みたいな高い次元の話になったとき、それが技術の有り無しではなく、経験や勘、度量みたいなものもすごく関係してくると思っている。
これは、「技術」は教育によって誰にでも反復可能とされているのに対し、その人しかできない部分、その人しかできないよね、みたいな達人芸は教育だけではどうしようもないんじゃないかと思っている。
話を戻す。立場によって、個人に技術が有るとか無いとか言う話。
技術の有り無しは所属会社に関係しないんじゃないか。特にIT系は技術がオープンで会社に関係なく学べる内容が多い。どんな立場でも入手可能だ。とすれば、技術があるだのないだのではなく、単に経験や立場の問題だけの話じゃないかと思う。SIerだろうがWeb系だろうが、元請けだろうが下請だろうが、ユーザーだろうが委託だろうが、技術うんぬんではなく、経験の問題では?と思う。その会社、その立場でしか経験できないことを、言っているのか。
とすれば、技術ではなく、「その分野の仕事ができるか」と言い換えたほうがいいのだろう。その仕事がしたいのにできないのは、技術の問題ではなく、単なる立場の差だけなんじゃないか。SIやりたきゃSIerが一番仕事ができる。元請の立場は元請が一番できる。Web系は・・ユーザー系は・・。もうそれだけの話だ。
だから、Twitterを見ていても、もしその仕事をやりたいなら、技術どうこうじゃなく転職を試みるべきだとは思う。対岸にいて「私の方ができるのに」は机上の空論すぎる。きっとその仕事に近づけない原因は技術ではなく、経験不足によるものであり、経験不足はその場に行かないとどうにもならないのでは。
そういう視点で転職を考えていくべきではないか、と思う。年収うんぬんより前に。