orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

日本のIT業界と、英語の関係

 

日本の特徴だと思うんだけど、日本人が手組みで作るものより、海外でできた完成物を盲目的に良いと思う傾向がある。現在はアメリカから持ち込まれることが多く、アメリカ=グローバルと本気で思ってる。どうせ日本オリジナルで作っても、グローバルにはなりはしないし、自分たちで自分のことをガラパゴスと言ってるからほんとタチが悪い。主体性を失くして人様のものを標準だと言い始める。

当初は確かに一理あるんだけど、軒先貸して母屋取られるとはよく言ったもので、どんどん日本人の意思は関係なくなる。日本発のものはなくなり、単に消費するだけの存在に成り下がる。

 

 

今日はこの英語の話。

社会人になった25年くらい。私はずっとこの、グローバル寄りにいたと思う。日本独自のソフトウェア製品は昔はあったんだけど、どうせハードウェアにしろOSにしろアメリカ発なので、ソフトウェアだってアメリカ主導になるんだろうと思っていた。アメリカのソフトウェア製品とずっと付き合ってきた。

日本のソフトウェア製品をたまに触れたりすると、すごく日本語マニュアルがしっかりしていて感心したことがある。日本人はドキュメント類について、仕様を1から10まできちんと文書化する性質があるので、技術者的には使いやすい。ただ、エンドユーザーとしては、こんな使わない機能たくさん作ってくれちゃって、全部おぼえるの大変でしょ、結局どうやって使うのこれ現象となる。だから日本人は、「ファーストステップガイド」というのを分厚い製品マニュアルとは別に添付したり、起動すると「はじめてみよう」なんてソフトウェアを自動起動し、コテコテした製品が出来上がる。ガラケーにも分厚いマニュアルついてきたし。

一方でアメリカのドキュメント構造は不思議で、ドキュメントにリンクがやたらと多い。これを知りたければこのページを見よ。そのページに行くと、雑な説明があってもっと知りたければこのページを見よ。たらいまわしにあった上に、結局どこにもなくて、製品のWebページを見るとサポートページがあって、検索するとやっと出てくる、みたいな連続である。

多分、ドキュメントに全てを表現しようと彼らはしていない。

とりあえず作ってみて、質問あれば聞くよ、マニュアルなんてどうせ読まないでしょ、みたいな雰囲気である。

一方で、カスタマーサクセスみたいなことを言い出して、ユーザーと積極的に絡んで、文書経由ではなくサポート経由で提案しようとする。うまい商売だ。

そもそも、アメリカ製品におけるドキュメントの位置が日本人の思うところより低いので、本気でアメリカのプロダクトと向き合おうとしたら英語は必須だと思う。最近はドキュメントはほとんどWebで見られるし、それを機械翻訳すればいいだから、完全な英語能力は必要じゃない。ある程度概略さえつかめればいい程度だ。

また、前述の通りサポートは重要と思っている節があるので窓口はどんなソフトウェアでも用意しているが、ここで日本語サポートがあったとしても、その日本人が英訳して本国に質問しているだけだ。私の感覚だと、英語で本国に聞ける窓口があるのなら、自分で英訳して質問したほうが要件は早く伝わる。英語チャットなんてあると超助かる。日本語サポートなんて、優秀な日本人が挟まらない限り無意味である。最近は、日本人以外の人が日本語を使って挟まろうとするから、余計サポート品質が悪化している原因になっていると思う。

ということで、やっぱり日本のIT業界は、性質上英語を使う場面が求められる。学校でちゃんと英語を教えてくれたのはよかったね、と言いたい。完全に逃げてたら仕事にならないね・・と。