デジタル行政の失敗とNTTの肥大化を総括する

 

なんかバズったので、考えてみる。

 

 

NTTの前身である電電公社の歴史をWikipediaで見ていたんだけど、面白いよね。

通信をめぐる行政においては、いろいろ周辺、例えば運輸や郵便とくっついたり離れたりしていた。

運ぶ、と抽象化すると、行政の区画なんて結構権力構造で自由に切ったりくっついたりして、昔の時代から安定してなかったんだな、とわかる。

今では通信自体が権力そのものを表すのは現代の常識だ。中国があれだけ通信について政府の統制を強めているのは、権限の一極集中を表すと考えるべきだろう。

ただ、昔は、いや特に日本独特だと思うが通信、今ではデジタルとほぼ近似値の意味だが、他国と比べ非常に軽視されがちであると思う。日本では物理的な資源の方が優先されがちに思う。やれどこに道路を作るとか施設を作るとか。これは日本は資源が少ない国なので、観念的なものより即物的なもののほうに価値があると考える素地があるんじゃないかな、と思っている。

世界的には価値がうなぎのぼりのデジタル分野だって、今日本は必死に追いつこうと、デジタル庁を作ったものの、である。もともと経済産業省はIPAを中心に情報処理行政のリードをやっているし、通信ビジネスは総務省の管轄だし、かといって内閣府にサイバーセキュリティーセンターがあったり、もう業界にいるからわかるがカオスなのである。

なお、SIerにいると、経済産業省の力がものすごく強い。きっとSIerにたくさん天下ってるんじゃないかと予想してる。一方で通信会社は相当総務省の方を見て仕事してる。どっちもデジタルデジタル言ってるから結構おかしなことになっている。デジタル庁は、国の社内情シスみたいな扱いに見える。各省庁でバラバラにシステム発注してて統制が取れていないので、とりあえずシステム発注するときはデジタル庁に声掛けろみたいになってる。そしてデジタル庁がAWSなどメガクラウドを推し始めたのでSIerは失笑してる。SIerはとりあえず受注すれば何でもいいんだよ、って思ってる。

で、昔は、電電公社で通信関係は国が内製してた。内製してたと言っても外注管理ばかりだったんだろうけど。それでも巨大な力を持っていたので、あんな乱暴な分割をされた。NTTは東や西に切られたり、SIerとしてのデータや、インターネット通信のコミュニケーションズ、モバイル通信のドコモ、ご存知の通りだ。

そしてNTTは今また、一つに統合しようとしてる。みんなわかってる。政治はミスったと。でもミスったなんて言えないよね。だから静かにやってる。One NTTだって。

でね、デジタル庁、なんか当初、内製のシリコンバレーベンチャー的なノリでスタートしちゃったじゃない。でもあれ、アメリカの場合は巨額のファンドや、先進的な企業への過剰投資で成り立っている。でも日本の場合、ちょっと赤字出しただけで株価暴落するでしょう。デジタル庁もちゃんとやるなら、資源をもっと集めなきゃいけなかった。それなのに、かっこばかりいいとこ取りで、やってることは、社内情報システムと変わりなかった。多分、中の人は、これじゃデジタル庁じゃなくて要件定義庁だよと思ったことだろう。

 

 

台湾の例が良く引用されたものだけど、外国のいいところだけの真似では何もうまくいかない。

日本はまず反省を先にしなきゃいけなかった。

それが、NTTの存在であるって、誰もが思っているけど、言わない。

本当に政府がデジタルを内製するんだったら、NTTそのものを国家に再統合し、デジタル庁にしなきゃいけなかった。それは、NTTが通信もSIerも抑えていて、そして外注先も太いパイプのある実行力のある組織だから。100%内製なんて現実見るとあり得ないんだ。ベンダーコントロール・協力会社との付き合い、全ての総合力を持っているNTT。ただ過去の政治の失敗で、無茶苦茶な会社分割をされていて、今リカバリー中だ。この前純利益1兆円のニュースが出てたけど、現在十分な生産性も有している。

 

デジタル軽視の結果、政府の管轄が複雑になっていて、それでも民間に切り出されたNTTは1つになろうとしているという皮肉。そしてまた政府にデジタル庁を作ってしまい火に油を注いだ形。

もし、国家の形をゼロベースから作り直すとしたら、さすがに今のフォーメーションにはならないよね・・と。そうでしょう?。