orangeitems’s diary

クラウド専任の40代インフラエンジニアが書くブログ。新規事業マネージャー。20世紀末の就職氷河期スタート時にIT業界に文系未経験で入りこみそのまま生き残った人。

フルリモートで成長の機会を失くすという危惧

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リモートの働き方って、やってみるととても楽なんですよね。通勤がないですから。そして絶えず監視されているオフィスと比べて、仕事に集中できるという良さがあります。

Web会議自体はむしろオフィスにいるときよりも、コミュニケーションが取りやすい側面もあります。いちいち会議室を取らなくてもいいですし、すぐできますし、画面共有で作業を行う映像を参加者で見られるので、ある意味リアルよりも優れている面があるのは事実です。

これらのいい面は置いておいて、悪い面もあって、上級者の仕事ぶりや会話が聞こえてこないという印象があります。効率の悪い方法をやっていたら上級者が気付いて、ここはこうするといいんだよ、なんてコミュニケーションが確かにありました。もしくは、隣の人と会話をして、ああそうやってやれば良くなるのか、みたいなフリートークでの気づきも発生していました。それらが失われてしまうのがリモートでの働き方のように思います。

オフィスで、周りから何も学ぶことはない、と達観し自分の技術を自分で育てられるのならこれはそこまで影響しないでしょう。問題は若手です。指示を受ける。時間が経つ。結果を見る。リモートでのこの繰り返しで問題がない場合、上司も特段ケアはしません。しかし、若手にとって、他人はそのタスクをどんなプロセスでやり遂げるのかという情報を得ることはリモートでは一切ありません。

私がまだ若かったころ、二十代のころは超大手のSIerのオフィスに協力会社として潜り込んでいたのですが、そこにいらっしゃったたくさんのSIerの社員たちの仕事ぶりや指導と、協力会社でもアクセスできた技術情報データベースは私の今の財産になっています。

結局、リモートじゃ、人様の技術は盗めないんですわ。

それが、自社内で起きてしまっている。私がいかに優れた作業をしたとしても、それがリモートでは若手に伝わりません。それじゃまずいと思って手順書を作ったりして、これやってみな、って始めてはいるものの、私の仕事を盗まれることがないんです。どうしてもリモートだと。そもそも若手がどんなプロセスで仕事をこなしているかがわからない。じっと画面共有して見ているわけにもいかないじゃないですか。

若手も、わからないことがある度に、いちいちチャットなどで呼び出してWeb会議で見てもらえますか?ってやらなきゃいけないのも気が引けるし、これはかなりフルリモートの弊害なんじゃないかと強く思ってます。

空気で伝わる、できる人の仕事を盗め、なんてオカルトな話かもしれないですが、私が評するに、フルリモートで自分で成長することができるというのはメンタル的に、かなりタフにならないと無理です。だって、教材が周りにないんですもの。たくさんの人が独りよがりになり技術力が上がっていないのを目撃しています。

特に、オフィスで、「ああ自分は技術がないな」と感じるのって、結構強烈だった感覚があるんですね。勉強しなきゃ、っていうモチベーションになってた。それを空気としてまとえるのがオフィスのいいところだと私は思います。逆にそれを感じなくて良くなる分、若手には「楽」なのかもしれないけど、逆にそれが後々、負債になってくる。成長できるべき時間に、どう成長していいかわからなくなっていく。そして目の前のタスクをこなすことだけに目的意識が向いてしまい、教わったことはできるけど、教えてもらってないことは何もできません、と合弁する大人になってしまう。

・・と、ベテランの私自身も思うのです。私自身の成長が止まってしまうなという危惧もあってフルリモートは辞めましたが、やはりリモートを好む若手は多いので、自分の体験も重ねて、大丈夫かなと思います。ある意味厳しい環境に身を置かないと、なかなか成長したいというモチベーションは沸いてこないんじゃないかな、って。