orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

若手が会社を辞めるワケ

 

また、若手が会社を辞める話を聴いた。

遠い部署の話だがもう毎月のように聴く。ITの会社だし、給与も悪くないと思うし、学べることもまだまだあるだろうし、何が起こっているのだろうか。

最近はオフィスによく行くので思うけど、若手に取って一番大事なことは何か。特にベテラン連中はおそらく気が付いていないと思うので伝えておく。彼らが一番欲しているのは「孤独ではないこと」だ。皆思い間違いしていると思う。「成長できること」「やりがいがあること」みたいな思考できっと止まっているのだろう。実はそれらは根本の理由ではない。彼らは、自分が孤独であることを、思っている以上に恐れているのだ。

会社に行って仕事をしていても、誰とも話さない。自分の仕事を誰からも見られない。自分のキャリアを気にかけてくれる人がいない。そういった、コネクションの無さに対して、若手世代は非常に弱弱しいんじゃないかと感じている。

成長したいとかやりがいがあるとかは、その孤独さが払しょくされてから始めて、評価の対象になる。ひとりぼっちに著しく弱い。若手のほとんどが結婚していなかったり、一人暮らしだったりというのも関係はしていると思う。会社で孤独を感じて、そしてプライベートでも社会とのつながりが薄かったら、やっぱり、もっと活気のある会社に移るか、となる。

活気、と言う言葉を使ったが、この活気というのがキーワードになっている。活気を生むためにはチームワークで働かせたほうがいい。一人ではこなせないまとまった量のタスクを、チームに与える。このチームを若手主体にすると、活気が出る。なぜなら、皆実力がないので、話し合いながら進めるしかないのだ。そして、チームも能力差はできるだけ同じ方がいい。誰かがトップダウンに管理するのではなく、話し合って決めていくスタイル。仕事の内容は、進捗を見ながらどんどんレベルアップさせていい。いつも緊張感を持たせること。

仕事なんて、若手コミュニティーの成長のための潤滑油に過ぎないのだ。しかし、面白いことに、そのコミュニティーに参加していることが楽しい、うれしいと思うと、彼らはより仕事をするようになる。場の価値を上げようとする。人間の本能を刺激する仕事のさせ方だと思う。所属している社会に愛着が生まれると、社会を良くしようとして、自分をも高めようとする。

成長もやりがいも、誰かのためになっているから感じられることだ。しかし、現代社会では分業制も、ITによるマイクロマネジメント化も進み、オフィスでもリモートワークでも、タスクが細分化され過ぎて個人が孤独に陥ることが多いように思う。

私も、まるで上から孤独に対して話しているけれど、私の若いときも相当悩んだような思い出がある。自分は劣っているのではないか。人と打ち解けるのが苦手ではないか。社会とうまくやっていけないのではないか。その疑問の答えはあいまいなままだが、自分は自分でしかないな、と諦めている。どんな答えであっても、自分だけが残るから。自分一人は孤独なんだけど、自分はそこに必ずいる。じゃ、自分を楽しむか、と思えるようになったが、それはまだまだ若手には無理だろうな。

ま、多分若手が会社を辞めていく分析をする人たちの多くは、孤独を感じたことがあまりない恵まれた人たちだから、きっとそんな的外れな分析をするんだろうな、なんて斜に構えた見方をしているのは、秘密。