ロシアにはGoogleより強いYANDEXという検索サイトがあって、まだ日本からはアクセス可能になっている。
ヤンデックスは、世界最初の検索エンジンかつインターネット企業の一つであり、また、グーグルのロシア市場における主なライバルでもある。なぜヤンデックスはロシアでこれほど人気があるのだろうか?
日本国内ではYahoo! JapanやBingが二位グループにいるがGoogleが7割ほどの圧倒的なシェアを持っている。国が変われば様子も違うものである。
さて、このヤンデックスにアクセスすると、Googleニュースみたいに各メディア記事のニュースがキュレーションされている。なぜそんなことをするかと言うと、ロシアの国内事情がどうなっているかを知りたかったからである。
過去の太平洋戦争時も日本のメディアから国政批判が一斉に消え、政府に都合の良い報道だけになった。
以下で、中部日本新聞の戦時中の記事が読める。いくつか読んでみるといいが、とても歴史と合っていない。
太平洋戦争中に中部日本新聞社(現中日新聞社)が発行していた「戦時版」の原紙が見つかった(20日付朝刊掲載)。市民の息遣いや地元企業の奮闘などを伝える記事もふんだんに掲載され、歴史学が専門の九州大の永島広紀教授は「戦時中の暮らしを知る貴重な資料」と話す。1944(昭和19)年3月1日から10月31日の終刊までに244号を数えた戦時版。原紙の一部を公開する。
「我等の身体 これぞ日本人の優秀性(昭和19.3.2)」(PDFファイル)という記事が得に面白いのでご紹介したい。
我々日本人は総体に手先が器用であるが、それは我々が食事に箸を用い、女は幼いときからあやとりをし、成長しては針仕事などで手先を訓練したからによるものと言えよう。
スプーンやフォークを使用する欧米人から見れば、我々が箸で豆をつまんだりするのはまさに驚くべきことだ。また我々が下駄や草履を使用していることは靴履きに習慣づけられた欧米人より足指の感覚を著しく発達させる結果になっている。
さらに座る習慣が飛行機や戦車、潜水艦のような近代兵器使用上に大いに役になっていることはよく知られていることであるが、長時間の狭い座席についての勤務には我々の日常生活がこれに耐ええるようなありがたい体格を創り出してくれたのである。
これら手先、足先の感覚はまだ砲術において、あるいは自動車、戦車、飛行機の操縦において微妙にして優秀な技能を日本人に植え付けてもいる。これと共に日本人の驚くべき忍耐力や気迫がものをいっていることももちろんである。
かつては高度の機械文明が人間の手足の動きを段々不要にして、その結果手足が退化するであろうと言われたこともあったがなかなかどうして、機械が精密になればなるほど「勘」が大切になっている。
これ、めちゃめちゃ面白いこと言ってる。
日本人の戦前の「万能感」が前面に出ていて、欧米人を見下してマウントすることが、当時いかに当たり前のことだったかということを教えてくれる。
一番最後の文章、昔からいるのね、テクノロジーの進化は人間をダメにすると言う話と、そんなことないやろ、みたいな論争。
ちなみに、冒頭のヤンデックスのニュースサイト、ロシアのニュースサイトの見出しがいろいろ見れるんだけど、残念ながらたくさんのロシアのニュースサイトは国外からのアクセスを拒否しだしてる。
アクセスできるサイトもいくつかあったけど、やっぱりかなりのロシアびいきというか、国粋主義的な情報展開になっている。彼らは「作戦」という言葉好み「戦争」「侵略」なんて表現はみじんもない。まあその内容をここで展開することもないので、アクセスしてGoogle翻訳で読んでみると、上の戦時中の記事と大差ない。
なお、BBCやCNNもロシア国内から撤退し出しているらしい。
英BBCは4日、ロシアでの全ての記者の取材活動を一時的に停止したと明らかにした。ロシア議会で同日、情報の戦時統制強化のために、同国の軍事行動に関して虚偽の情報を広げた場合に刑事罰を科す改正法案を可決。プーチン大統領が署名し成立し、一両日中にも施行される見通しとなったことに対応した。
法律は外国人も対象で最大15年の懲役や禁錮などの刑を科す可能性もあり、BBCは記者の安全の確保を優先したとみられる。
ロイター通信は同日、米CNNがロシア国内での放送を一時的に停止するほか、ブルームバーグ通信もロシア国内での取材活動を一時的にやめると報じた。
全くロシアから情報が入らなくなる日も、近い。
歴史って、未来を教えてくれるのかもね。