このNHKの記事、煽り記事かな?
正社員として働いていて、自分が1時間あたり、いくらで働いているか計算してみたことはありますか。
「あれ、これ、ほぼ最低賃金だ…」
都内で働く25歳の女性は、あらためて自分の給与を計算してショックを受けました。「正社員でも自立した生活が送れない」
そんな人たちが、今、日本で増えていると言います。
いちおう突っ込んでおきます。
なお、NHK側で修正があったらこの記事は矛盾しますのであしからず。
記事を書いているのは2021/8/25 17:09です。
1日10時間以上の勤務は当たり前。
急な休日出勤も多く、この月の労働時間は208時間にのぼりました。
そして、振り込まれた給与は24万6324円でした。
ふむ、つまり、手取り246,324円ということですよね。
ということは所得税や住民税、社会保険料などを引いた金額が246,324円ということです。
マリさんは、7月の給与について詳しく調べたいと思い、自分が1時間あたりいくらで働いているのかを計算してみました。
すると…。
時給1184円。東京都の最低賃金の1013円よりは170円ほど高いのですが、アルバイトとして働いていた居酒屋の時給は1270円で、当時より100円近く低いことに気づきました。
この計算って、
246,324円 ÷ 208時間 = 1184.25円/時、ですよね。
なんで、最低賃金の計算で、手取りの金額を使うの??。
アルバイトで1,270円/時と言っても、一定額超えたらそこから確定申告して、税金や社会保険料を納めなきゃいけないから、全然比較になってないですね。1,270円は、扶養の範囲の学生で、年間の総額が少額である場合のみ、そのまま受け取れますからね。正社員と同じ時間働いたら、そりゃアルバイト側も手取りの金額は1,270円じゃなくなります。
しかも、正社員なんだから、年二回の賞与が出ますよね。その分も入れないとフェアじゃないです。アルバイトに賞与があるところなんてほとんどないでしょう。
何か、矛盾だらけの記事で、これで絶望していくのって記事中のマリさんが不幸だなと思うと同時に、結論である「正社員なのに最低賃金以下」とかって変でしょうにと思ったのでした。
ただ、会社(居酒屋)側も気を付けなければいけないのが、「固定残業代」の概念です。固定残業代50時間だそうですが、それを時給換算して給与総額から引いたときに、労働基準法が定める最低賃金を下回ったら、完全に違法となります。
厚生労働省のサイトにも書いてありますよ。
3) 月給制の場合
月給÷1箇月平均所定労働時間≧最低賃金額(時間額)
50時間が固定残業代なら、月が160時間とすれば210時間で月給(総額)を割って、最低賃金は超えてないといけない。なお月給には賞与をいれちゃダメなので、正社員が最低賃金以下なんて、本当はあり得ないと思ってます。
あと、残業時間については、労働基準法の以下の特別条項(36協定)を踏まえる必要があります。
特別条項(法律による上限)
時間外労働が年720時間以内
時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満
時間外労働と休日労働の合計について、「2ヶ月平均」「3ヶ月平均」「4ヶ月平均」「5ヶ月平均」「6ヶ月平均」がすべて1月あたり80時間以内時間外労働が月45時間を超えられるのは、年6ヶ月が限度
2019年4月の法改正により罰則が明記され、上記に違反すると罰則(6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金)が科されるおそれがあります。
毎月50時間の残業なんてことは上記の条項に違反します。
固定残業代50時間で、かつ毎月50時間以上残業というのは基本的にはできなくなっています。
ま、「固定残業代」の意味を知らずに就職しちゃダメよとも思いますけどね。
「正社員がいいのかアルバイトがいいのか、どうすれば自立して余裕のある生活が送れるのか、わからなくて…」
正社員の方がいいに決まってる!!!
と声を大にして言いたい私でした。
NHKさん、ミスリードはやめてよ。
※書いた後思いましたが、これって、普通の生活するのに「税金・社会保険料が高すぎる」もしくは、「最低賃金額が低すぎる」ってことですよね。正社員かアルバイトかって話じゃ全然ないと思うんですがいかがでしょうか。