orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

「アンチ無料」フリーミアムモデルの終焉

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西暦2010年あたりまでのインターネットは、無料でいろんなものが出回っていました。フリーミアムモデルと言われちやほやされていたものです。下記は2009年の記事ですが、今こんなことを言ったら、鼻で笑われてしまいそうです。

 

japan.zdnet.com

 フリーミアムは、開花しつつあるオンラインの「Software as a Service」業界、オンラインゲーム業界、そして急速に拡大しているiPhoneのアプリケーション市場では主流のビジネスモデルとなっています。私は、フリーミアムの周りにビジネスモデルを作っていくことが、このオンライン時代においてはもっとも興味深く、有利な試みになるだろうと考えています(何に課金し、何には課金すべきでないかを決定することは、経済学だけでなく心理学の問題でもあるでしょう)。そしてこの本は、本文においても最後に付いている戦術的なアドバイスの中においても、それを助けることを意図しています。

 

この予言は当たったかと言えば、ハズレに近いのではないかと思います。フリーミアムモデルで一定のシェアを取得したほとんどのSaaSが、無料プランを限りなく縮小し、有料のサブスクリプションモデルに移行しています。

ソフトウェア開発や運用は限りなく無料に近くなり、広告や付加サービスでお金を取ると言うモデルはほとんど息をしていないと言っていいでしょう。まずは、ソフトウェア開発や運用には、明らかに一定以上のコストがかかり続けるということです。インターネットに公開すれば、サーバー代も通信費もかかります。また、保守し続けるために保守工数も必要です。また、広告で大量の収入を安定的に得ることは非常に難しく、広告主にも依存するし、そしてユーザーの動向に大きく左右されます。無理もしくは現実味の無い仮説を前提としたフリーミアムモデルは、試供品を配る、くらいの存在感しか残っていないと思います。

今もって無料のサービスは散見しますが、圧倒的に広告市場で収益を持つGoogleが各種サービスを無料で提供しているようには他のベンダーはできていません。何らかのお金のやりとりを発生させるために周辺サービスを作り込みお金を流通させたがっています。

消費者側も心得るべきで、そろそろ、無料のものはかえって敬遠する時代になったのではないかと思います。そもそも何かの価値を受け取るのに、無料というのはおかしくないですか。無理がありませんか。無理のあるものに依存するのは危険じゃないですか。

何らかのソフトウェアがあるとして、無料だとすると運営費が危うくなります。再投資できないのでそのソフトウェアがよりよくなっていく保証がありません。昨今は脆弱性一つで危険な目にあいますから、あえてお金を支払うサービスを探し、運営モデルや体力をチェックするべきでしょう。無料のサービスというのは、機能を確かめるためのものであり、実用するために利用するのはこれは、フリーミアムモデルが否定された現代では危険ということです。

アメリカではこの考え方を進めて「アンチ無料」という考え方が生まれているようです。

 

www.businessinsider.jp

こんにちは。パロアルトインサイトCEO・AIビジネスデザイナーの石角友愛です。今日は最近シリコンバレーでトレンドになりつつある「アンチ無料」サービスについてご紹介します。

 

まだ、無料でシェアを取る手法は現代に残っていますが、だんだんとそれすらも否定され、今後は無料のものがどんどん減っていきそうです。これは一つは良いことですが、あの雑多なものがフリーでばらまかれまくった、2000年初頭のカオスな状況はおそらくもう取り戻せないということになります。あのころは、ビジネスと言うよりは、自分の技術をたくさんの人に知ってもらい知名度を上げることの方に軸足があったように思います。しかし、長い事それをやっていると時間ばかり消費し、お金が入ってこない。だんだんと文化は消失していき、最近はフリーウェアなどを見かけることが無くなったという記憶です。

こういった時代の変化を察し、無料のものに依存しないようますます気を付け、適切な費用を支払う態度こそが、今後、安全にソフトウェアを利用するのに必要だと思います。