orangeitems’s diary

クラウド専任の40代インフラエンジニアが書くブログ。新規事業マネージャー。20世紀末の就職氷河期スタート時にIT業界に文系未経験で入りこみそのまま生き残った人。

heroku無料プラン終了とはどういうことか

 

インフラエンジニア、特にクラウド近辺をやってると、耳にちょくちょく入ってくるHeroku。2007年起業だが、2010年にSalesForceに買収されている。かなり老舗の会社だと思う。このHerokuが無料プランをやめるらしい。

 

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米Salesforceの子会社である米Herokuは8月25日(現地時間)、同社が提供するPaaS「Heroku」の無料プランを廃止すると発表した。同社は「無料プランを利用しようとする詐欺や不正使用などの監視に多くの労力を費やしている」とし、今後はサービスの運営上不可欠なミッションクリティカルな機能の提供にリソースを集中させると説明している。

 

Herokuは代表的なPaaSとして有名である。何が便利かって、開発者がコードを書いて、さあ動かそうとする時に、インターネット上でサーバーを建てなくていいこと。ソースコードを書いた後、ちょこちょこっとコマンドを打つと、Heroku上にアプリケーションがデプロイされ、それで動いちゃう。

インフラエンジニアは、結構がんばってクラウドのインフラ基盤上に仮想サーバーを作り、そして開発者が作ったアプリケーションが動くように仕立てる。アプリケーションが世の中に増殖するのなら、インフラエンジニアの仕事も安泰だなと思ったこともあった。

ただ、開発者も何かするたびにインフラエンジニアの手を借りなきゃいけないのはめんどうなので、1つの方法としてはAWSなどクラウドの作法をおぼえて、インフラもできる開発者になること。ただこれはこれで、独立した別の知識が必要となりなかなか敷居も高い。だから、もう1つの方法。Herokuのような「プログラムを置けば動く」基盤を使うことが考えられた。

2022年まで来ると、こういったPaaSは開発の時に使い、本番運用するときはサーバーを立てて運用するみたいな棲み分けができているように思う。私の身の回りでは、Herokuにそのままアプリを置いて本番運用するエンタープライズなシステムはない。

この枠組みのもと、Herokuには軽い利用の場合は無料プランがあり、ほんの少しの動作確認なら無料で使えた。これは便利だ。多くの開発者がHerokuを無料で利用していると思う。また、かなり軽量なアプリケーションをHerokuで動かすケースもたくさんあるようだ。

後は、開発者の教育用としても頻繁に使われていたようだ。ネットを探すと、Herokuの無料プランを使って学習するコンテンツがたくさんある。そういった文書も、無料プランが終わってしまうと辻褄が合わなくなってしまうのだろう。

ここ10年くらいで「いかに無料で便利に使うか」ばかりが注目されてしまった。また、記事の通り、運営が想定していないような使い方、詐欺や不正使用まで報告されるようになったという。

昨日、世間は、無料で情報を晒すことに絶望しているという記事を書いたばかりだが、無料で利用してもらうことの理由は、気に入ったら有料プランへ乗り換えてもらいたいと思っていたはずだ。無料でちょい見せして、本体は有料だぞ、と。

ここの線引きを誤ると、たくさんの人が無料の中で使い倒そうとする。フリーミアムモデルはいよいよ終焉のときだと思う。だって、無料プランであっても、サーバーの運用にはお金がかかるからね。

無料で価値があるものなんて、ないと考え始めるべきだろう。