orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

無料サービスに依存するなかれ

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AWSでもAzureでも、Google Cloudでもそうだが、無料枠というものがある。他のクラウドサービスでも限定されたリソースまでは無料。これはフリーミアムモデルと呼ばれるもので、とりあえず無料で使ってもらって、価値を感じたら課金してね、というスタイルだ。

このフリーミアムモデルを利用して、無料枠の中で要件を済ませてしまおうという発想は横行していると思う。有料ならばそもそも使わない。無料だから使ってやるのだという発想だ。

この、無料に依存する個人、という図式は本当に良くない。試して価値があるか判断するかまでが全てである。永久利用まで踏み込んではいけない。

無料でフル活用していた一部のユーザーは、この無料の利用部分が縮小すると途端に、「改悪だ!」「別のサービスのほうがいい!」「ユーザーのことを考えていない!」「運用元はお金に困っているんだ!」と大騒ぎし始めるのだが、これはみっともない。だって、1円も支払っていないで使いこんでいて依存していて、それができなくなるとわかった途端にお客様気分で不満をまき散らす。

実はこういうユーザーは決してお金を払って使わないので、黙って切り捨てればいいのだが、運用元からすれば面白くないと思う。フリーライドしておいて、できなくなるとわかった途端に手のひら返しだ。私はこういった態度を絶対に取りたくない。開発費用から運用費用まで全部タダ乗りしているのだから、使えなくなったらそれは感謝こそすれ不満を漏らすのは品格のない行動だ。

また、体力のある企業、例えばGoogleなどはかなりのサービスを無料で提供してしまっているが、そのために、無料の領域では別のベンチャー企業などが新事業を立ち上げられなくなってしまっているように思っている。ある意味ダンピングのような商売のやり方であり、他社の新規参入や成長を妨げるやり方である。フリーミアムモデルはインターネット初期、大手も個人も無く玉石混交だった時は有効に機能したものだが、今や大手が新規参入を許さないための戦略的方法に成り下がっているような気がしてならない。

話を整理してみる。無料サービスはあくまでも価値を確かめるための試用期間である。無料サービスを恒久的に利用してライフプランを考えるのは愚の骨頂だ。試用期間だけに無料サービスは運用側の都合でいつ無くなっても不思議ではない。使わせて頂く、という意識が重要だ。

その上で、価値を感じたら即座に有料プランに乗り換えること。これが運用側に体力を与え、更に良いサービスになる可能性を与えてくれる。WIN-WINの関係はここで初めて成り立つ。運用側に要望を言えるようになるのは実はここからである。

無料で永久にサービスを受けたい、という仮定自体がそもそもあさましい。収入は価値をより生み出せば増えるというのは基本の考え方だ。フリーライド、無料タダ乗りはこれを否定するので、結果として自分に返ってくると思っている。有料だからこその価格競争であり、健全な競争だ。無料タダ乗りを許せば、もしかしたら存在するかもしれない優秀な競合サービスの芽をつぶすことに他ならない。そして自分自身の品格も傷つけることになると思う。

残念ながら、無料サービスの縮小に対して、SNSなどで罵詈雑言をみることが非常に多いので書いてみた。

補足だが、利用者が無料でも広告などで成り立つサービスを否定するものでもない。あくまでも、無料=試用期間、という枠を外れてフリーライドする態度を否定したいということである。