orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

管理職として今年学んだいくつかのこと

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大晦日

今年もいろいろありましたが、言ってみれば「ぐだぐだ」な終わり方だなと思います。2021年1月が来ると言うより、2020年13月が来そうな勢いで、とりあえず東京オリンピックぐらいいはやっておかないと、2021年は何だったんだ、と今年と同じようなことを言ってしまいそうです。

さて、何でも書いていいブログと思って続けていますが、なんとなく「働くこと」に注目しながら記事を作って来たような気がします。まあなぜこの方向に流れたかというと、どんな立場の人にもわかりやすいネタだからでしょう。先端の技術的なことを書いても大体の人にはさっぱりです。一方で全く関係のない芸能ネタは、私自身もあまり興味がない割にはたくさんのメディアやブログが取り上げますから競争相手が多い。結果的に、自分の体験から書かれる「働くこと」については書きやすい割には、実はIT業界に二十数年、新卒から生き残っている人は結構珍しくて、希少価値があったんじゃないかと分析しています。

さて、ぼんやり会社のことを思いながら、いくつか管理職として学んだことを書いておきたいと思います。年末なので社会も動いていないし私も平穏に年末年始を送っているので、小ネタを掘り起こしながら今年を〆ていきます。

 

 

「管理職がいらない」と言う人に限って、管理職の世話になっている

技術志向で、管理職はいつかAIに取って代わる、ぐらいのことを吹聴する人。IT業界には技術志向の人が多いので目につくのかもしれません。

管理職がどんどんいらなくなる時代を予見する記事をよく見るし、管理職ゾーンの世代である45歳以上の人々が希望退職で会社の外に追い出されようとしている事実もあります。

ところが、仕事全体を俯瞰すると、やっぱり管理職、もしくは管理職が担っている人間系のスキルというのはどうしても組織に必要だな、と思うことがよくあります。

人間ってのは難しい生き物です。不満を持っていることを素直に監視システムに通知してくるのならどれだけ楽かと思います。不満を持っていても何も言わず、突然「会社辞めます」って言ってくるものだから困ります。基本的には社員は辞めない方がいいです。採用にもお金はかかるし教育は人手がいる。辞める前に不満の一つでも言えば改善の努力の一つでもしようものですが、不満を言うことが低評価につながってしまうこの世の中では仕方ないことかもしれませんが。

この、正直ではない人間たちをうまくまとめ、何事も無いようにするのが管理職の重要な任務だと思います。だからこそ、「管理職は要らない」なんて言う技術主義のような社員こそ、管理職がかなり気を遣って腹を割らせることで、大きな問題の回避につながることが多いです。

人間の本音を割り出すために、飲みに連れて行ったり、雑談したりと、業務以外の部分で行動するのですが、技術主義の職場ではこの役割が欠損した結果、組織が大崩壊する事例がたくさんあります。

昨今のテレワークブームで、管理職がうまく動けなくなり、その結果うまくいかなくなる職場もいくつか出てきていると思います。今年の秋ごろにオフィスに一時的に戻って、いくつかのメンバーと、慣れない1 on 1ミーティングをやったところ、いろいろ爆弾発言が飛び出して大変だったのは今年の思い出です。

管理職、多分まだAIにはできないし、必要性も無くなってない。また、あの一連の希望退職は、会社が成長しない中で管理職のポストが埋まったままで若手にその座を譲れないから行っているのであって、管理職が不要になったわけではないと思っています。

 

 

どんなに職場環境を良くしたって、最後は給料

モチベーションが上がるように、設備を整えたり情報共有の仕組みを作ったり、役割を明確にしたり残業や休日出勤を減らしたり、福利厚生を整備したり。いろんな職場環境の改善を試みてかなり高い満足度を達成したと思いこんでいました。

しかし、結局のところ、会社を辞めたいと思う最大の理由は「給料」です。どんなに職場環境が優れていても、最後は人は、給料の高いところに移ろうとします。むしろ劣悪でも給与を優先するようになっているんだなと言う気づきがありました。

職場環境の充実は最終的に生産性の向上につながり、あとはビジネスの方向性させ良ければ利益の向上につながります。しかし、利益が向上したとしても、個人に還元しなければ個人は不満を抱えることになります。

だから、非常に大事なことは、①職場環境の充実→②利益の向上→③個人への還元、というこのサイクルを達成しつつ、あとはやる気になった個人が自発的に①職場環境の充実、を行うようにする文化を醸成するという点です。

おそらく、「①職場環境の充実→②利益の向上」、で止まっている職場は多いんです。なぜなら、個人への還元は会社全体で決めるケースが多く、マネージャーレベルで個人への還元を決められないからです。

このサイクルができていないと、組織の業績や雰囲気はとてもいいのに、退職者を出すということにつながります。そうなる前に③個人への還元、を会社ができていないのであれば会社に掛け合うところまでが管理職の仕事になってくるということです。

「わが社は働きがいのある会社だ」という記事を良く出している会社の平均給与を見ると、結構低めだったりして、そうなると退職していく人は一定数いそうだなと思いますね。一方でその職場環境自体が目的化され、その職場で給料が安くても働きたい、というニーズはあるようなので、これは一概に決めつけられはしませんが。

 

 

良いお年を

今年の更新はこの記事で最後となります。

毎日読みに来てくださる方もいらっしゃると思います。

今年もありがとうございました。

いっそう、先が読みにくい時代となりましたが、余計に的確に先を読むことに価値が生まれて来たと思います。

来年も、日々の経験より、このブログを通じて何らかの価値を生み出せて良ければと思います。

来年もよろしくお願いいたします。

良いお年をお迎えください。