orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

残業代が出なくなる管理職になるまでに備えておくべきこと

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私もこれまで二社しか経験していませんが、管理職以上になると、管理職手当が付く代わりに残業代が出なくなりますよね。結構ITの会社だとそういうところ多いんじゃないかなと思います。

もともとIT業界は生産性が低く、残業上等で月100時間越えが当たり前、みたいな文化も10年前はありました。確かに。ただ、最近は規制がきびしくなったことと、生産性が劇的に向上したこと、この2点で状況は様変わりしております。最近IT業界って、学生からも人気職種の仲間入りをしているのですが、この生産性の向上が間違いなく理由の一つです。昔は誰もIT業界なんて入りたがらなくて、コンピューター好きな物好きが入るところというイメージでした。現場も長時間労働が当たり前。また、結構昔は、コミュニケーションが苦手な人も多かったです。これらは最近は様変わりしています。時代は変わりました。

残業時間がおしなべて多かった時代は、ある程度エース級になると仕事も集まりやすく、残業代も給与テーブルに合わせてうなぎのぼりに。あるSEがある月、残業代と給与を合わせたら単月で会社で一番もらってしまったという件があったのを思い出しました。そういう人は早めに管理職にして、残業代なしにした方が良いよねみたいなあんまりよろしくない文化を見たことがあります。管理職の一番下のクラスは、残業代のつくマネージャーレベルより(残業代も合わせたら)給料が下がることもあり、管理職に上がりたくないと言う人もこれまた見たことがあります。

ある程度年齢が行くと管理職に見た目上は格上げされるのですが、しかしこの人に部下が付かない。部下も付かないのになんで管理職なんだろう。いわゆる名ばかり管理職問題です。私も一度、管理職なのに一人で現場にSESで投入され、そして残業時間は付くのに残業代がない。これじゃなんなんだ、と強い不満をおぼえたことがあります。30代で転職したことの理由の一つにもなりましたが、どうも年齢が上がってから給与が打ち止めになるために管理職という制度が巧妙に利用されてしまう企業もありそうな気もしています。

さて、このように、新人からステップアップし、活躍を続けるとどこかで残業代の出ない身分にはなってしまうのです。残業代が出ない管理職とは、会社の定時の時間を守ることよりも会社の業績に責任を持つことの方が求められ、自分自身をフレキシブルにコントロールできるので残業時間という考え方がない、というのが制度の建てつけだと思います。とはいえ、部下もこちらを見ていることを考えるとあまりだらしない出勤はできないというのも事実。

残業代が急に無くなったそのときに、そこで昔ながらの残業依存の仕事の仕方をしていたら、これは時給換算すると効率が大変悪い。残業しないでいて初めて、残業代の出る社員よりは待遇がいいと言えるぐらいの給与で、管理職の初期はスタートするように思います。

もし、ここで結果を出すために、また多くの残業を重ねるようだと、これは会社に残業代を献上しているようなものだと思っていました。したがって、自分が残業しないことをベースに仕事を組み替え、そして組織をまわし業績を担保する、ということをやるのが基本的に管理職の心構えだと思います。

自分が残業せず生産性を高めた上で、業績を達成すること。そのためには、部下が残業することはこれは選択肢の一つではあります。彼らは残業代が出るのですから。管理職と非管理職は、全く働くことに対するイメージが違います。そうやって頭を切り替えていかないと、つまり残業代が出たころの働き方を変えないと、管理職になってから生き残ることが難しくなります。残業と言うのは「ロスタイム」であって、ロスタイムに点を取るのを前提とした試合なんて、戦略でも何でもありません。会社に管理職としての能力を見限られるのがオチです。

この状況の変化は、だいたい30代半ばくらいから40代にかけてやってくるものですが、管理職になってから急にできることでもないように思われ、ある程度上のキャリアが見えてきたら頭を切り替え出さないとまずいと思います。もう大分昔のことになって来たので記憶が曖昧ですが、残業代はえらく「おいしかった」思い出です。アルバイトの時給の2倍3倍4倍もらえますから・・。でもこれに依存して仕事を組みだしてしまったら、上に上がった後えらい苦労することになりますから注意しておいてください。