orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

日本のバブル恐怖症、そろそろ克服しないか?

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Appleから新しいヘッドフォンが発売されるそうです。

 

av.watch.impress.co.jp

アップルは8日、ヘッドフォン「AirPods Max」を発表した。12月15日から発売し、価格は61,800円。独自の音響設計、左右2つのH1チップ、先進的なソフトウェアを組み合わせ、「アダプティブイコライゼーション、アクティブノイズキャンセリング、外部音取り込みモード、空間オーディオを通じてこれまでにないサウンド体験を提供する」という。カラーはスペースグレイ、シルバー、スカイブルー、グリーン、ピンクの5色。8日から予約受付を開始している。

 

ヘッドフォンに61,800円出せますか?(税別)、ってお話ですけど、ちょっと別のことを考えています。

日本経済はバブル崩壊以来、経済成長することへの恐怖が付きまとっている国だと思っています。少々株価が上がろうものなら、これはバブルだ。頂上まで登って突き落とされるのだ。そんな感覚を全国民で共有している国だと思うのです。

その結果何が起きたかと言うと、デフレでした。とにかく価格競争。価格が高くなることは許されない。三十年くらい前に私が学生だったころ8,000円していたジーンズは今や3,900円くらいで売られています。メガネも30,000円くらいしていたものですが今や10,000円あれば立派なものが買えます。食料品などは価格を維持するために容量を減らすなどメーカーも涙ぐましい努力をしています。

結局のところ企業の経済成長より、価格維持(もしくは下落)を維持してきた社会でした。通信料金だって来年には、もっと安くなろうとしています。

価格が安くなるということは、企業が成長するためには、もっと量を売らなければならず、人口減社会の日本に留まっては目的を達成できないために、海外進出は必須のミッションとなった、というところまでは周知の事実です。その海外とは、成長しない日本を尻目に経済成長する国をターゲットにしています。

さて、この日本の感覚と圧倒的に違うな、と思ったのが海外ベンダーと仕事でお付き合いしているときです。保守というサービスがあります。例えばサーバーを購入した後、利用していて問題が起こった場合には故障した部品を交換して使い続けたい。そのためには継続してお金を支払う必要がありますがこれが保守料です。

この保守料料金、1年ごとに5%ずつ機械的に上がっていくのです。いや、5%ならまだいい方。場合によって1.5倍とか2倍とか、あり得ない値上げをされるのです。

なぜサービス内容が全く変わっていないのに、機械的に値上げするのか。

そもそも初期購入のときには、当初に1年保守の料金を5倍して5年使う前提で予算を組んでいたのに、値上げされては困る、みたいな話も経験しました。

「アメリカが決めた話ですから・・」で一蹴されるのですが、それでも日本の感覚とはずいぶん違うなと思ったものです。

この値上げの根拠は、保守にかかる原材料の値上がりや人件費上昇、物価上昇率を踏まえたものだったのです。アメリカでは、経済成長が「前提」でありバブルなど存在しないのです。物価は必ず上がり、人件費も上がり、企業も必ず成長する。

日本がバブル恐怖症で長年縮こまっている間に、アメリカは何食わぬ顔で経済成長していったというわけです。

そして、冒頭のAppleのヘッドフォンです。これが高いと言う感覚は、きっと日本がそれだけ貧しくなったという証だと思っています。アメリカで599ドルで売られるそうですが、日本の61,800円とは全然違う感覚で受け取られてそうだと思います。この感覚の差が、バブル恐怖症で経済成長を諦めてしまった民族の現在地だと思います。

そろそろ我々日本人は、「これはバブルでは?」という条件反射を意識してやめるべきだと思います。物価を上げ、給料を上げ、企業業績を上げる。価格第一主義を反省しないと諸外国との経済格差はますます開くばかりです。