orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

アメリカのサービスがどんどん売れなくなる理由

 

イノベーションがあれば、価値が増大するから、価格を上げてもユーザーは付いてくる、というアメリカ企業の傲慢が炸裂しているような気がします。

 

jp.reuters.com

米メタ・プラットフォームズは、採用を凍結し、一段の再編を行う方針。米ブルームバーグが報じた。

同社のマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は毎週行う従業員との会議で「これまで、経済がより明確に安定化することを望んでいたが、現状を見るとまだそうなっていないようだ」と説明した。

社内の大半の部署で予算を削減すると表明。各チームで人員数変更への対応策を取りまとめる必要があると述べた。

 

www.nikkei.com

グーグルの親会社である米アルファベットの22年4~6月期の純利益は前年同期比14%減の160億200万ドル(約2兆3000億円)にとどまり、2四半期連続の減益だった。景気の減速傾向が強まり、一部企業がインターネット広告の出稿を控えていることが逆風になっている。経営環境が厳しくなるなか、採用抑制などによるコスト削減を進めている。

 

www.bloomberg.co.jp

米アップルは、期待していたほど需要が伸びないことを理由に、スマートフォン最新機種「iPhone14」の増産計画を断念する。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

計画が公になっていないことを理由に関係者が匿名を条件に語ったところによると、同社は当初、9月発売のiPhone14シリーズについて、下期に最大600万台の増産を計画していた。しかし、出だしの販売が低調なことから、9000万台という下期計画を維持せざるを得なくなったという。

 

以前、GAFAとか言われて無敵の強さだったのに、どこもここも・・。

これ、それぞれの企業が弱体化したというわけじゃないと思うんですよね。

 

www.bloomberg.co.jp

ドル高は米企業が国外で稼ぐ売上高の価値を下げる。ドル指数が1%変化するごとに、企業利益に0.5%のマイナス影響が及ぶとモルガン・スタンレーでは見積もっており、10-12月(第4四半期)決算は投入コスト高騰といった問題に加え、ドル高により約10%の向かい風にさらされると、ウィルソン氏は分析した。

「驚くべきことは、他の主要中央銀行も歴史的なタカ派ペースで金融政策を引き締めているにもかかわらず今のドル高が起こっていることだ」とし、「何かが突然発生することに警戒するべき時があるとすれば、今がそうだろう」と続けた。

 

つまり、ドル高放置です。日本円に対してだけではなく、他通貨でも同様です。

アメリカの強さはグローバルでのスタンダード奪取にありましたから、全世界で影響必至です。

日本もバブルの時期に急な円高に見舞われて、日本製品が売れなくなった時期を経験しています。円安の際には全く議論されませんが、アメリカ製品や保守サービスの価格がどんどん値上がっているのを見ていると、どんなにいいものだって買わなくなるよね、という印象を持たざるを得ません。

各社が為替に合わせて自動的に日本での値段を元気に上げているのは、なかなかタフなことするな、すごい自信だなと思います。でもダメです。ユーザーは離れます。さようなら。どんなにいいサービスでも限界があります。イノベーションのないごくごく普通のサービスだって、廉価であれば選択肢に入るようになります。

この後どうなるか。高くて売れないことを認識したアメリカ企業は、値段を下げるためにコストを下げようとします。下げよう下げようとするので品質が下がり、プレミアム製品ではなくノーマル製品が売れ筋になり、そして価格が下がります。ノーマル製品だと他国だって作れるからです。そうやって、過去の日本企業が伸び悩むようになりました。だから、ドル高放置ってのは本当はアメリカにとっても悩みの種だと思うのですが。

いや〜、手持ちのiPhone 11 Pro Max、次はどうしようかなあ・・と思ってるところです。高いし。